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金利は語るⅣ。 - 米CPI@+4.2%発表後, ”まさか” の金利低下。

 米CPI@+4.2%発表後, ”まさか” の米国債金利低下正直10年で@1.60%割れは想定外CPI発表後が一旦 ”Selling Climax” となり、米国債トレーダーの多くは虚を突かれショート(金利上昇方向の賭け)の「損切り」を迫られた。まだショートで粘っているトレーダーも多そうなので「調整」は案外長引くかもしれない物価連動債(TIPS)も随分ダメージを受けた

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 この間、象徴的だったのは:

 1.中国株等「非主要マーケット」が買い上げられた

 2.国債市場では高金利債が買われた

 「意地の悪い相場」(5/25 ↓ )では大抵流動性の低い ”Bold Markets” が主導するケースが多い。今回はまさに典型で、まるで「モグラたたき」のように、ビットコインが沈むと同時に中国株を持ち上げている

 金利市場では、変動率の低下を見越して「キャリー」=日々の金利収入狙いで高金利債が買われた。欧州ではマイナス金利のスイス国債は動いていないのに、イタリアスペイン債が買われている。

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 さて今日(5/27)は良くわからない理由で日経平均が+600円も上がっているが、もはや主要市場の一角ではなく「モグラたたき」の一員と見做されているのか(苦笑)。確かに世界的注目度で言っても今はビットコイン>日経平均だろう。日本のデイトレーダーたちも然り。

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 さて今後金利は再度上昇に向かうのか、それとも逆流するのか?

 筆者の個人的な話で恐縮だが、奥さんが温泉好きで13年ほど前にある温泉リゾートの会員権を買って保有している。ほんの4~5年前まで価格に動きがなかったのだが、この3年で急騰13年前のざっと倍になった。3年で+100%なら年率+30%以上。しかも数十人もの購入希望者が保有者の売却を待っているというから驚きだ。一体何が起きているのか。

 業者の話を総合すると、比較的スペースの広い高級なものほど価格上昇が顕著で、中には複数会員権を保有する人達もいるという。「富裕層」の投資の一環だろうが、ここでも「K字型」乖離が起きている。貴金属や材木、半導体等に起きている現象と "同根" だが、身近で起きるとさすがにリアル。売値を指したら即持って行かれそう(奥さんは反対。笑)。

 金利マーケットの経験も合わせて言うと、「物価」や「金利」というものは一旦トレンドが形成されるとそう簡単に ”流れ” は変わらない平成デフレが20年以上続いたのが典型例で、逆もまた然り。例えば中古車自動車市場では、半導体が足りないから増産してすぐに来年値下がり、なんてことにはならない。これはもっと構造的に根深い問題であり、米中の亀裂が深まる以上むしろ状況は悪化すると見るのが自然。これは自動車に限らない。

 そんな中「お金持ち」がまだ値段の上がっていない ”ニッチ” な資産に目を向けるのは十分あり得る話で、立地の良い日本の高級リゾート会員権はその1例。彼らも「現金資産」の目減りは強烈に意識しているはずだ。

 こういう実例を踏まえるとある程度「調整」に時間がかかっても、最終的に「金利」と「物価」は上昇方向に動いていくのではないか。その過程でビットコイン等、「インフレ」を先取りしていた資産は頭を抑えられるが「現物経済」では値段の上昇が進む。そう思って見ると今の市場の動きは割と合理的だし、市場のボラティリティー(変動率)が落ちるのも合点がいく。「金利低下」はその間に咲いた「あだ花」とでもいえるものだ。

 おそらく「お金持ち」が見ているのは、FRBやECB、日銀などのテーパリング → 利上げの動きが具現化することであり、それまでは現金~5年国債辺りを保有して「高見の見物」金利上昇による不要なリスクを回避し、実際に金利が上がってから国債等金利資産に投資し直せば良い(株価の急落が先でデフレに陥るのならそのまま)。「富裕層」にはその余裕がある。

 今のところ「日本化」を極度に怖れるFRBとECBは金融引締にはかなり慎重低い市場ボラティリティーは金利トレーダーのキャリー取引を誘発するため「インフレの高進」と「 ”まさか” の金利低下」が同居する「奇妙な静けさ」が続く可能性もある。そういう「根本」を理解しつつ、我々「平民」日々の ”きめ細かい” 準備、努力は怠らないようにしたい。欲をかいて来たる「大津波」に巻き込まれれば「一巻の終わり」である。

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