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提言:「マイナス金利付利制度」を廃止して "デフレ脱却宣言” へ。

 日本も「減税」「減税」と喧しくなってきたが、「損切丸」的には誤った対処方に危惧を抱いている。「インフレ」初期に賃金上昇が物価に追い付かないのは良くある現象。これは現在の欧米も「バブル期」の日本も同様

 問題は30年近く毒されてしまった日本人の ”デフレマインド”40代以下の「値上げ」を経験したことのない世代が「生活が苦しい」≓「デフレ」と信じ込んでしまっており、現在の苦境が「インフレ」もしくは「スタグフレーション」から来ていると正しく認識できないいくらお給料が増えても「貯金」に走り「お金」の価値が目減りしてどんどん追い込まれている

 首相まで「デフレ脱却のための減税」などと訳のわからないことを言い始めており、非常に危険「インフレ」時に財政出動で「お金」をばらまけば物価上昇が加速するのは経済学のイロハ。これでは「インフレには利上げでは無く利下げ」と滅茶苦茶な政策運営をしたトルコのエルドアン大統領の二の舞であり「通貨安」「インフレ」まっしぐら。経済力から言ってさすがにCPIが+61.53%にはならないだろうがポピュリズムはかくも怖ろしい

 ”景気は気から”

 よくこういう事が言われるが、同調圧力の強い日本人にとってマインドは重要昭和世代を中心に ”お上” のいうことを盲信してしまう傾向が強いため、政府からの情報発信は極めて重い日本人の多くが未だに「デフレ」と信じ込んでいる根幹には長く続く低金利政策がある。

 出戻りの形になった植田総裁が もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) "石橋を叩いて渡る” 日銀。|損切丸 (note.com) なのは十分理解できる。70歳を超えた総裁に全てを負わせるのは酷かもしれないが、このままでは ”幻想のデフレ懸念” で叩きすぎた石橋が本当に壊れてしまう。ここはしんどくても一歩踏み出す勇気が必要だろう。

 提言:「マイナス金利付利政策」を廃止して "デフレ脱却宣言” へ

 10/31の政策決定会合でCPIの見通しを上方改定する、との一部報道が出ているが、まあ当然だろう。人口動態で▼8百万人もの「団塊」が抜けた穴はとてつもなく大きく、「2024年問題」「働き方改革」の問題もある。「人件費」の上昇は実は2016年以降からの恒常的なトレンド( ↓ 参照)。一部 ”コストプッシュ・インフレ” をプロパガンダしている向きもあるが、仮にロシアの戦争や「円安」がなくても「インフレ」は顕在化していたはず

 2019~2022年の「コロナ危機」は、日銀にとって「利上げ」をしなくていい理由にはなったが、日本人の悪癖である ”やらない理由探し” はもう限界。「団塊」→「Z世代」への世代交代と共に何かを変えなければいけない時期に来ている。こういう時、日本において ”お上” の果たす役割はとても大きい日銀もCPIの上方改定を ”本音” として出すなら、一気に「利上げ」は無理でも「マイナス金利付利制度」の廃止には踏み込むべき。これだけで世の中の雰囲気は一気に変わる:「デフレは終わった」と。

 何度か書いているが「金利」としての影響は軽微「マイナス金利付利」されているのは日銀当座預金約550兆円のうち30兆円程度に留まっているからだ。年間▼3,000億円程度銀行の利払い=日銀の利息収入が減るだけ。収入が増える銀行もこれで住宅ローン金利を上げたりはすまい。

 マーケットの影響としては「過剰流動性」天国と期待された日本の条件が一部悪化するため日本株を売ってくるファンド等もあろう。ターミナルレート(利上げの最終到達金利)@5%、@4%が見えてきたFRB、ECBと比べ、いわゆる「金利差」が縮小してくるという見方もできるが、いかんせん日本はまだまだ圧倒的に金融緩和的新NISAで株式投資を考えている個人投資家にとっては株価の下落はむしろ好都合だ。

 あとは 「財務省」の役割をもう一度考え直してみよう。|損切丸 (note.com) でも書いたが、よくよく考えて見れば+70兆円の税収の国でその半分以上を医療費の支払いに充てているのは異常。財務省も本心ではここに切り込んで欲しいと考えているはずで、仮に医療費支出を▼20兆円程度まで刈り込めれば、税控除削減とか消費再増税とかインボイスとか、ゴチャゴチャと細かい「増税」をする必要がなくなる際限なく社会保険料の負担がのし掛かってくる国民心理も大きく改善するはずだ。

 ただ政治的にはかなり難しい。病院+薬大好きのご老人たちや国からできるだけたくさん「お金」を貰いたい医師会などかなり分厚い抵抗勢力が存在する。だがここを変えていかないと小手先だけの対応ではどうにもならない所まで来ている。延命治療や自由診療など改善点はいくつもある。

 政策の優先順位からすると「利上げ」>「減税」▼4兆円一回だけの「減税」やエネルギー補助金で「インフレ」は解消しないそれよりも「円安」がここまで来ると+10円「円高」になる「純資産効果」の方が遙かに大きい。 ドイツに行って来ました。|損切丸 (note.com) で筆者自身がひしひしと実感したことでもある。とにかく航空代金が死ぬほど高い(笑)。

 「K団連」など "逃げ切り" を計りたい「昭和世代」「円安」や輸出に伴う「消費税還付金」収入に固執したいのだろうが、少しは自分達の子供や孫のことも考えるべき。本来は経済のパイを増やして税収を+100兆円方向に伸ばす努力が必要なはずだが、レバノンで豪邸を追い出されそうになっている "コストカッター” を礼賛した癖が抜けない。人を切って人件費を減らすのが経営の肝だと考えている経営者があまりにも多すぎる。ここも早く世代交代すべきで「インフレ」にきちんと対応している経営者に見習うべき。

 さあ、まずは政策決定会合既に「円安」で日銀は相当追い込まれており「何もしない」リスクが回を追う毎に高まってきている。もうFRBの後だけ追うのは止めよう。ここまで来ればもう怖れる物はない。気楽に「利上げ」すればいい、手遅れになる前に。

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