エンディングノート③
エンディングノート3日目は
『私が心からエンディングノートが必要だと感じたエピソード』です。
FPの仕事を始める前、相続を経験しました。
亡くなったのは父方の祖母と祖父です。ほぼ同時期に他界し、私は祖父母と養子縁組をしていたため相続人の一人でした。相続人は父と母(養子縁組)、父の弟と私の4人です。
農家ということもあり、土地(畑)が遺されました。現金は祖父の介護で全て使ってしまったためありませんでした。
祖母は生前、それぞれに言葉で「ここの土地は○○のもの」と伝えていたそうですが
いざ話し合いを始めると、面白いほど噛み合いません。とりあえず、相続税申告期限の10か月目に書類は提出したものの相続人全員が納得いく答えを出すことが出来ませんでした。そして相続発生から7年後
我が家と父の兄弟は絶縁という形でこの問題は幕を下ろしました。
ちなみに、日本国内における相続の裁判沙汰は年間1万2000件を超えているそうです。裁判沙汰になっていない我が家のようなケースも含めると、相続時における揉め事はかなり高い確率で起こると考えてもいいのかもしれません。
おかねに関係する話をするのはタブーと考えている人も多いかもしれませんが
それぞれが、それぞれに対してどんな想いを抱いていても、それが全ての人に伝わるような形で遺っていないと「それは嘘だ」と揉め事になってしまう可能性があります。
法的効力はなくても、祖父母が「エンディングノート」を遺してくれていれば
みんなでその想いを共有しながら、スムーズに話し合いが出来たのではないかと心から感じました。
「これくらい言わなくても分かってるでしょ?」
この思い込みで人間関係にどれだけ大きい亀裂を生むのか?
日常生活でもありがちですが、それでもお互い生きていれば、誤解を解消することが出来ますよね。生きていないから解決が難しいのです。
以上、私が心からエンディングノートが必要だと感じたエピソードでした。