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古代オリエント(空欄補充+150字論述)【一般公開:メンバーシップサンプル記事】
問題
古代オリエント世界は、多くの文明が興亡を繰り返した地域である。紀元前3000年頃、メソポタミア南部で ( ① ) 人が世界最古の文明を築いた。彼らは(A)楔形文字を発明し、都市国家を形成した。その後、アッカド王国が台頭し、サルゴン王によって統一国家が形成された。 紀元前18世紀頃には、バビロニア第一王朝の ( ② ) 王がメソポタミア全域を支配下に置いた。彼の治世下で編纂された法典は、古代オリエントにおける法体系の基礎となった。一方、エジプトでは、ナイル川の恵みを受けて古王国時代が始まり、ピラミッドに代表される壮大な建造物が作られた。 紀元前13世紀頃、現在のトルコ付近に興った ( ③ ) 帝国は、エジプトと勢力を二分する大国となった。しかし、紀元前12世紀頃には「海の民」の襲来により、これらの帝国は衰退し、古代オリエント世界は大きな転換期を迎えることとなった。
(1)空欄①に入る適切な語句を答えなさい。(10点)
(2)空欄②に入る適切な語句を答えなさい。(10点)
(3)空欄③に入る適切な語句を答えなさい。(10点)
(4)(A)「楔形文字」について、その特徴と古代オリエント文明における意義を150字以内で説明しなさい。(20点)
解答例
(1)シュメール
(2)ハンムラビ
(3)ヒッタイト
(4) 楔形文字は、粘土板に葦ペンで刻む文字体系で、シュメール人が発明した。象形文字から発展し、楔形の記号で音節や単語を表す。メソポタミアで広く使用され、行政・経済記録や文学作品の記述を可能にし、オリエントの全体での文明の発展と知識の伝播に貢献した。(121字)
解説
(1)「シュメール」が正解です。紀元前3500年頃からメソポタミア南部(現在のイラク南部)に定住し、世界最古の文明を築きました。彼らの主な特徴は以下の通りです。
1.楔形文字の発明
2.都市国家の形成(ウルクやウルなど)
3.ジッグラトの建設
4.灌漑農業の発達
(2)「ハンムラビ」が正解です。バビロニア第一王朝の第6代王で、メソポタミア全域を統一した君主です。彼の主な業績は以下の通りです。
1.バビロニア帝国の確立
2.ハンムラビ法典の編纂
3.灌漑事業の推進
4.外交政策による勢力拡大
この問題では、「法典」がキーワードとなっています。古代オリエントの法典といえば、反射でハンムラビ法典がでてくるようになりましょう。
(3)「ヒッタイト」が正解です。紀元前17世紀頃から紀元前12世紀頃まで、現在のトルコ中部を中心に栄えた古代帝国です。主な特徴は以下の通りです。
1.鉄器の使用による軍事的優位性
2.インド・ヨーロッパ語族に属するヒッタイト語の使用
3.エジプトとの覇権争い(カデシュの戦いなど)
4.多神教文化
この問題では、「現在のトルコ付近」と「エジプトと勢力を二分する大国」という二つのヒントが重要です。古代オリエントにおいて、ヒッタイトはエジプトと並ぶ大国でした。
(4)
■論述で抑えるべき要点(配点ポイント)
1.楔形文字の物理的特徴 (5点)
・粘土板に葦ペンで刻む
・楔形の記号を使用 楔形文字を他の文字体系と区別する重要な特徴を抑える。
2.起源と発展 (5点)
・シュメール人が発明
・象形文字から発展 シュメール文明との関連を示すことで、その歴史的背景を明確にする。
3.文字体系の特徴 (5点)
・音節や単語を表す 音節文字と表語文字の両方の性質を持つことを示唆し、その複雑性と柔軟性を表現する。
4.古代オリエント文明における意義 (5点)
・メソポタミアで広く使用
・行政・経済記録や文学作品の記述を可能に
・オリエント全体での文明の発展と知識の伝播に貢献 具体的な用途(行政、経済、文学)を挙げ、その実用的および文化的重要性を強調する。