技術士になるために「技術士的に考える」
わたしは令和6年3月に技術士2次試験に合格しました。
試験に合格するためには、キーワード学習、添削など色々な勉強法があります。
どの方法も多くの受験生が実施してきた効果的な方法です。
しかし個人的には、自身の仕事を「技術士的に考える」ことが最も効果的であったと考えます。
また「技術士的に考える」ことは、試験のみならず、技術者として成長させてくれる手段でもあります。
実際、技術士となった今も「この案件を技術士的に考えるなら?」と自問自答して仕事に取り組んでいます。
「技術士的に考える」とはどういうことか
「技術士的に考える」とは、技術士コンピテンシーの観点から、仕事に取り組んだり、社会活動を捉えることです。
技術士コンピテンシーは、技術士試験で問われる項目で、技術士が持つべき資質であると言えます。
コンピテンシーは以下の通りです。
専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
リーダーシップ
コミュニケーション
技術者倫理
継続研さん
技術士試験では、コンピテンシーの観点で、各問題が採点されています。
そのため試験対策として、自身の技術や経験を整理することが重要です。
試験直前は、過去の仕事を技術士試験の観点から整理するわけですが、普段から技術士の視点で仕事に取り組むことで、より試験対策の効果を得ることができます。
すなわち技術士試験を想定して、実務を行うわけです。
私自身、普段の業務が比較的忙しく、試験のための勉強に時間を費やすことができませんでした。
そこで取り組んできたのが「技術士的に考える」という方法です。
「技術士的に考える」ことで、普段の業務時間を技術士試験対策の時間にすることができます。
試験以降の「技術士的に考える」意義
技術士は、高等な科学技術を有する技術者であることを示す資格です。
試験においても、優れた技術者であるかどうかを評価するための問題構成となっています。
この試験問題に対する解答を、「問題解決」や「リーダーシップ」などのコンピテンシーの観点から評価されます。
これらのコンピテンシーは、優れた技術者であれば持っている資質です。
つまり、試験で身に着く「技術士的に考える」方法は、優れた技術者の思考法を取り入れることであるともいえます。
よって技術士試験に合格することで得られるものは、「技術士資格」だけではありません。
技術者として活躍するために必要な「技術士思考」を身に着けることができるのです。
どうすれば普段の業務を「技術士的に考える」ことができるのか?
「技術士的に考えると」というフレーズを枕詞にすることで、技術士思考を業務に取り入れることができます。
例えば、あるプロジェクトのリーダーとして業務を行うことになった場合は、以下のような内容を自問自答します。
技術士的に考えると、業務を進めるうえでの最大の課題は何だろう?
技術士的に考えると、解決策を実行した場合のリスクは何だろう?
技術士的に考えると、関係者との調整は何を行えば良いだろう?
技術士的に考えると、コストと品質のバランスはどの程度が適当だろう?
「技術士的に考えると」を枕詞にすることで、優れた技術者の思考を実践することができます。
「技術士になる」とは、「技術士的に考える」ようになることです。
試験対策としても、合格後の実務でも、技術士的に仕事を行うことが重要なのだと思います。