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専門的学識と専門知識は何が異なるのか

技術士試験に合格するためには、コンピテンシーの理解を深めることが重要です。
また技術者として働いていくうえで、「技術士思考」を身に着けることはメリットがあります。

「専門的学識」は技術士コンピテンシーの一つです。
「専門知識」とは異なる点が、専門的学識を理解するポイントです。

専門的学識と専門知識の違いは何か

早速、専門的学識の定義を確認します。

  • 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。

  • 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

専門知識を理解するのみならず、「応用すること」と規定されているのが、専門的学識の特徴です。
多くの知識を持っているだけでは価値は低いよ、使うことができないとダメだよと言っていますね。

技術士試験における専門的学識


技術士試験においては、技術の原理を書くだけではダメなんです。
問題解決のために技術をどのように使うのか。
技術の応用方法を書くことが重要となります。

例えばⅡ-1は専門分野に関する知識問題ですが、原理のみならず応用例を書くことが重要です。
化学部門では、鈴木・宮浦クロスカップリングの説明を求める問題が過去に出題されています。
もちろん、反応機構の説明がまずは重要なのですが、使用者目線の補足を書き足すことができるとポイントが高いです。

  • 医薬品や電子素材などのファインケミカル分野で広く使われている

  • 使用する有機ボロン酸が安定で、中間体として調製しやすい

  • 比較的温和な条件で、スケールアップも行いやすい

技術士思考における専門的学識


業務において専門的学識の概念を導入すると、応用方法を考えながら知識を習得しようと言えそうです。
新たな知識を学ぶ際は。仕事で用いる対象をイメージし、どのように応用するかを考えることが効果的。

有機化学の例だと、勉強として反応の論文を読んだのなら、過去に合成した化合物の合成に使えるかもしれないとイメージしてみる。
どのような作業手順になるのか、前後の工程にどのような影響を与えるのか、新たに生じるリスクとして何が考えられるのかを想定してみればよい。

あるいは、ビジネス書を読んだ際に私が実際に行うこととして、ビジネス書の内容を利用して作業手順書を書いてみるということもあります。

マネジメント系の本を読んだのであれば、チームメンバーへの話し方、1 on 1での質問例や会話の運び方を、作業手順書として書き出してみる。

現場をイメージして知識使用の予行練習をすることが、専門的学識を発揮することにつながります。


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