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沢マンギャラリーの思い出 はじまり編

新宿眼科画廊新聞に2017年3月から2年ぐらい連載文章です。
ご挨拶
沢田マンションギャラリーの岡本です。
高知の変わったマンションにギャラリーを立ち上げて7年目、今年の12月にはギャラリーを閉じることになりました。そんな7年間をつらつらと語っていこうと思っています。
沢田マンション(沢マン)ご存じない方もおられると思います。高知ではかなり評判が悪く、違法建築の親玉!TVに沢マンが流れた日には高知市民の方々から市役所に沢山のクレームの電話が鳴り響きます。なにが違法といいますと、まず見た瞬間に違法性を感じさせる佇まい。とりあえずググって下さい。
そんなマンションも13年ほど前から若者が集いだし第一次沢マンブームが巻き起こりました。HPを立ち上げ(各部屋をライブカメラで生配信していました)廃墟マニアなどが訪れた日には観光ツアー案内、お祭りも開催、大家さんの伝記(沢田マンション物語)の出版…そんな最も熱い時期に「やばいここおもろい」と初めて訪れた次の日に入居したわけです。と沢マンの話だけで長くなりそう…

沢マンとは
沢田マンションに引越した部屋は5号(2階なんです。当時は住人同士で名前で呼ばす部屋番号で呼び合うのが流行っていました)ワンルーム10畳、換気扇がなく足を曲げないと湯船に入れないほど狭いお風呂、先輩住人からは「ムカデ部屋として有名や」とアドバイスを頂き。不安とワクワク感が混ざり合いながら仕事を終え帰宅。まずは便意を解消するためにトイレに、そして風呂へ湯船を出て栓を抜くと排水口からなにやら茶色の物体が溢れる溢れる逆流ですね。トイレの紙まで出てきます。その瞬間「これが沢マンか」衝撃となんだか特別なことが起こった嬉しさ、まさに沢マンの洗礼。普通のマンションならば(こんなことは絶対に起きないと思いますが)クレームもんです。
13年前は毎日どこかの部屋で飲み会があり、酒を飲みながら住人同士の部屋自慢が始まります。「寝てたら天井が落ちて目が覚めた」「ブレーカーから火が噴いた」「1時間で45Lの雨漏り」「雨漏りがひどいので家の中に雨どいがある」「ムカデに3回噛まれた」「CDトレイ開けたらムカデが出てきた」そして5号も部屋自慢の勲章をゲット。
住環境としてマイナスなのに、沢マンに住んで居たら気にならなくなる。そして、大変なこともご近所との情報交換からコミニケーションが生まれる。昔の長屋。まさに立体長屋っす。

つづく


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