「実践研究者」として生きる道への扉
去る6月15日(土)・16日(日)の二日間にわたり東京・文京学院大学本郷キャンパスで開催の日本地域福祉学会2024年度(第38回)年次大会でタウンスペースWAKWAKが「地域福祉優秀実践賞」を授賞させていただいた。
自分自身にとっては「実践研究者」として生きていく道への扉を開いていくタイミングでもあった。
〇マイノリティ発の実践を全国のフロントランナーに
マイノリティの地に生まれ育ち、海外や日本各地を旅したのちに再び地元にもどり原動力としたのが、マイノリティ発の実践をなんら過小評価することなく、再評価し価値あるものとして全国に発信すること。マイノリティ発の実践を実践、学術分野ともに全国のフロントランナーに押し上げること。
おかげさまで実践はこれまでNHKや政府広報含め6度放映頂いた。そして、それを学術分野にも広げるべく大阪大学大学院の博士後期課程に入学した。
その意味で日本地域福祉学会の授賞式はまさに次の扉を開ける本格的なスタートだった。「全体の一助」として生きていくために「100年という長い年月を培ってきた灯を独創的な道で引き継ぎ、突き抜けていく。」そう心に決めて授賞式と実践報告へ向かった。
〇地域福祉優秀実践賞 授賞式
受賞に際しての選考委員長の先生からいただいたメッセージは法人のHPにあげたのでここでは、自分にとって特に意味深かったものを。それは、日ごろから大変お世話になっていて尊敬する研究者のお1人、加納先生(関西大学名誉教授)からいただいたご推薦にあたってのコメント。(抜粋、箇条書き)
①地域にこだわる意義:海外研究の枠組みでは権利を剥奪された地域(ディプライブドエリア)ととらえる。先行研究では「ヒストリックトラウマ」や「トランジリエンス」の考え方がある。そこには悲劇を超えていくという文脈もある。
②担い手となるリーダー:学生運動時代にマイノリティの地に入り政治家として政策を変えていく働きかけ→次の世代として被差別かつ権利を奪われている地域が抱える課題の克服を通して、その手法を一般化・普遍化し、それをプライドを持って他地域にも援用していく。将来の景色を見て、明確に実現化させる。
③共助と公助:ポリティカルに影響力を持つことが本来的に地域福祉に必要。それはアドボカシーである。
加納先生のそのコメントをお聴きしながら、「悲劇を乗り越えていく」という言葉に差し掛かった時、心がゆさぶられ震える感覚があった。これまでの経験上、単にうれしい、感動という表層の感情の奥にある琴線にふれ心がゆさぶられる感覚が湧き上がるときには自らのビジョンとつながっているときが多い。ここでいただいたコメントとエールは、次の実践(まちづくり)と研究(博論)の方向性を示していただくものであり「実践研究者」としての道を開いてくださった。
こうしていつももたらされたビジョンを実現化し微力ながらも「全体のために」生きようとするときに決まって必然の中でそれをガイドしてくださる人(今回でいうと加納先生)とめぐりあわせていただき、そうした助けや支え、後押しの中で実現化される。そこには深い感謝しかない。
〇実践研究者としてのプロファイル
大会後、帰阪しちょうど大学院ゼミにてHPが改訂されることになり、希望者はリサーチマップにリンクをはっては?との提案があった。そもそも「リサーチマップって?」という段階だったところから登録作業。
書き出してみると、実践と並行して研究を始めたころは業績が少なく手付かずだったものの、おかげさまである程度広がってきたのを実感。
今後の課題は、査読付きのジャーナル投稿、科研プロジェクトを通した研究の積み重ねなどなど。そして、博論に向けて今回のコメントからつながる「ストーリー」の掘り起こしにも取り組んでいく。
まず、チャレンジするのは査読ありのジャーナル掲載。それに向け論文執筆をスタート。
「実践研究者」としての道を生きることを後押ししてくれた“かけがえのないもの”に感謝して。
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