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「塔」2022年7月号掲載作品(花山多佳子選・5首)
7月号では花山多佳子さんによる選で5首、鍵内での掲載でした。
父母の子だということ見上げれば空に割れてる半輪の月
あの頃は確かにいつも履いていた美空を翔ける羽根のある靴
知らぬ間に過ぎ去っていたポケットをたたくと幸せ増えた時代は
全員が共犯者なのかもしれないこの世の救いようのない仕組みの
やわらかな拍手のように葉を開く楓は春の光透かして
毎月鍵外、というわけにはなかなかいきませんが、何事も一歩ずつ前に進んでいくしかありませんね。
2022.8.13. 丘 光生