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無職:おかの場合
無職という言葉からパッと思い浮かんだのは、米澤穂信の短編集「真実の10メートル手前」収録の『名を刻む死』という作品でした。
以下、ネタバレあり。
『名を刻む死』とは「肩書き付きで死ぬこと」です。つまり「死んだあとで無職と呼ばれない」ということです。
社長だった人も役員だった人も、定年退職後の肩書きは無職になります。そして何かの事件で死んだときには「〇〇市 無職」とニュースで報道されてしまう。
つまりそういう話です。
この話を読んで僕が思ったのは「なるほど。面白いなあ」というだけのことです。無職とはどういうことか、なんてのはこのミステリー小説の中では別にどうでもいいことだし、「なるほど。面白いなあ」で次の話を読み始めるのが適切な読者なのです。
でもまあせっかく今回思い出したことですし、もう少しこの話について考えてみると、では有名人はどうなのだろう?と思いました。
例えば芸能人。
例えばですが60歳で芸能界を引退した人気お笑い芸人が10年後に死んだとして報道は「無職」と報じるでしょうか?
報じるところもあるかもしれません。でも人々はあの〇〇さんが死んだ!悲しい!大好きだった!実は嫌いだった!と感じるでしょう。
突然ですが僕は、実は有名人になりたいと思っていたりします。
はい。
今28歳なのですが、有名になりたい!チヤホヤされたい!僕のすごい才能を世間に認めてほしい!そんなことを日々考えながら生きています。
最近はYouTubeに動画を投稿したりなんかして、再生がちょっとでも増えるとほんとに嬉しい、全然伸びないと、うーん、…やり方を変えてみようとかそんな感じで生きています。
あるいは、僕が有名人になりたいと思うのは、それが「永遠の肩書き」になるからなのかもしれません。
一度成功して有名人になってしまえば、そのあと失速し、または失敗して引退、になったとしても、その後死んだ時、きっと「無職」とは呼ばれない。
それはどんなに幸せなことか!!!
僕はこのままだと、定年後、もしくはリタイア後「無職」になり、「無職」の一般男性として死ぬことになります。
それはそれで、楽しく生きれたならそれでいいような気もします。
というかそういうふうに自分に言い聞かせることもできると思います。
ただ今はもう少し「永遠の肩書き」を手に入れるためにもう少し足掻こうと思ってます、、
たぶん僕みたいな人は世界中にいっぱいいるんだろうなあ。
ふう、…お互い頑張ろうね。