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「文系」ポスドクのサバイブ戦略

最近読んだnoteの記事で、高円寺さんの投稿「文系ポスドクの生活」。

これが興味深かったです。

部分的に引用させていただきます。

「理系の院生やポスドクで生活を書くブロガーはいらっしゃいますが、就職やキャリア形成、収入源という点では、理系院生の情報は文系院生にとってあまり参考にならない。一方、文系院生やポスドクで目に入るのは、あまりよくないニュースばかり……。しかし今後も文系院生とポスドクは増え続けるだろう。それでは文系院生とポスドクは、どうやって研究生活をサバイブしている(いく)のか? 以上のような問題意識で、「生活」について、書いていこう」

文系院生というのは、文部科学省の学校基本調査の分類によれば、人文科学(文学、哲学、史学、その他)、社会科学(法学・政治学、商学・経済学、社会学、その他)に当たります。

文系ポスドクにとって、「就職やキャリア形成、収入源という点では、理系院生の情報は文系院生にとってあまり参考にならない」のは、高円寺さんの書かれている通りです。人文科学系・社会科学の学位を取得したものの、4月(または9月)以降の、無期・有期を問わず、次の職業がないという文系ポスドクにとっての有益なサバイブ情報は、ほぼ皆無です。だからこそ、有益な、かつ、確かなサバイブ情報が、増えてくることを期待したいのです。

※大学院単位で、大学外に就業をしていく文系ポスドクの支援策は、私が見た限りでは、ほぼ皆無です。但し、個別の研究室単位での支援策はあるかもしれませんが。

古くから、小中高の教員、学芸員、図書館司書などの資格を取得する、地方公務員試験や公益系の外郭団体の採用試験を受けておく、という手段は、リスクヘッジとして有名です。ところが、こうしたリスクヘッジ自体、それなりに競争率が高いです。また、いわゆる大学院重点化が進められた1990年代後半~2000年代前半までは、教員・学芸員・司書の新規採用の抑制がされている、公務員試験の競争率が桁違いに跳ね上がっているという状態。そのため、リスクヘッジどころか、レッドオーシャン状態で、代わりの選択肢としては、すでに機能しにくくなっていたと考えます。また、35歳以上のポスドクにとっては、年齢制限にかかることも多く、そもそも選択肢になり得ないというのもあります。

そこで、文系ポスドクの就業先は、すでに2000年代前半から、大学受験・資格試験・就職試験の予備校の講師、学習塾の講師、家庭教師などにも広がっていたと思います。また、大手予備校や出版社が手掛ける模試の採点、小論文や作文の添削指導者、各種教材の編集者(ただ、これはハードル高い)、解説執筆者、校正者の仕事もあります。これらの仕事は、研究者を目指す大学院生やポスドクには、大学の教員に就くまでのつなぎ的なもの、一時的な仕事だと思われることが多かったです。

最近は、就職先として、大学や研究所を望むことができなくなった以上、

・プロの講師として生計を立てる道

・添削指導や執筆・校正者などの在宅ワーカーとして生きるという道

を覚悟することを求められていると思います。

ただ、プロの講師は生き残りが大変というのはバブル経済の時期からありました。添削指導や執筆・校正者の仕事も、最近は奪い合いです。最近の企業の副業推奨やコロナ禍で、在宅ワークの人気が高まっていること(特に35歳以上の女性)、年金支給年齢の引き上げで、退職した教職員からのニーズが高いという状況があります。

こうした現状を踏まえつつ、石田健さん(The HEAD LINEの編集長)の書いた、下記のような情報にも目を向けていく必要を感じます。




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