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特に「~史」系ポスドクのサバイブ戦略情報

昨日投稿したのですが、石田健さんの記事を再度、ご紹介させていただきます。ここでは、次のような一節があります。(以下、引用)

文系院生のなかでも人文学の研究者は特に就職しづらい」という事実も確認するべきである。例えば、経済学や政治学の中でもポリサイと呼ばれるような、統計を使ったり数式を用いた理論を駆使したり、プログラミングを用いる研究者は、就職に困るどころか、ますます活躍の場は広がっていくと思われる。

ここに量的研究をおこなう社会学や心理学を加えるならば、意外にも多くの研究領域で就職のチャンスが広がっているとすら思える。当該分野の研究者の就労機会が益々増えるであろう点については後述するが、特に生存戦略が必要になるのは文学や哲学、歴史学などの分野だと言える。

石田さんの文章から読み解けること、考えられることは、次のようなものだと思います。

統計、数式を用いる理論、プログラミング、情報処理や分析など、量的研究をしてきた人であれば、文系研究科の院生、ポスドクでも、就労機会は多い。

サバイブ戦略を意識的にしていくべきなのは、量的研究を伴わない(伴いにくい)、文献研究がメインの分野にいる、院生やポスドクである。

典型例は、学説史上・理論史上の解釈中心の研究(人文・社会問わず)、政治・社会・経済・宗教思想史研究である。

私自身、思想史の領域を学び、そこで学位を取りました。ですから、石田さんの指摘は、痛いほど分かります。

ただ、同時に、私の職探し・就業体験から、こうも思います。統計やプログラミングを身に付けられなくても、MOSスペシャリストの試験に出るような、パソコン技能を身に付けていれば、少なくとも書類審査では落とされず、面接に呼ばれます。資格はあった方がよいでしょうが、なくても作成実績を証明できれば、応募者の中で頭一つ、抜け出せます。2020年代でも言えます。

パソコンできますよね?これは、大学外で就業先を見つける際、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。

では、パソコンできるってどの程度?

実務ではWord、PowerPoint、Excelを使いこなせることが常識です。

・Wordで仕様書や見積書の類をきれいに作成できる

・PowerPointでチラシや情報紙を作成したりデザインしたりできる

・Excelでガントチャートやビジュアル資料を作成できる

こんなところではないでしょうか。

学会や研究会などの報告レジュメはパソコンデータで主催校の事務局に電子データで送る、プレゼンテーションはパワーポイントというのは、さすがに常識化していました。

今でこそ、大学では、Excelの数式、関数を使いこなしてグラフ化、図表化した資料を作成する授業が行われています。2000年代前半頃までは、思想史の研究をする先生や院生で、アンケートの自動集計をするために、AVERAGE、SUMIF、SUMIFSなどの関数を使える人には、まずお目にかかりませんでした。

学位を取ったのは西洋の18世紀・19世紀の政治思想史や社会思想などである。その醍醐味や現代日本の社会、ビジネスに生かせるヒントを分かりやすく面接官に説明できる。同時に、パソコン技能を幾つか持っています、というアピールができる。こういう人は、重宝されると思います。

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