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主に世界と人間について書かれたエッセイたち

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#コンテンツ会議

「生きづらさ」は明治時代からちっとも変わらない。(あと対処方とか)

 「生きづらさ」が一種の社会問題になっているのでは、と思う。 今でも年間2万人ほどが自らを殺し、生を絶つ。 「死ぬ勇気」が持てなくてそれこそ「死ぬほど」苦しむ人々がいる。  インターネットやSNSの発展によって、世界中の情報がキャッチできるようになったぼくたちは、 相対化して生きづらさを感じてしまったり、「生きづらい」と嘆くタイムラインの文字列を見て自分を過度に重ねてしまったりする。「発達障害」の認知が増えるほど、その数が増えていっていることと似ている。  だから世界は、

偶然のような必然、のような偶然

 本屋が好きだ。それも紀伊国屋書店とかジュンク堂のような大型の書店。都市にあるような大型の図書館でもダメだ。とにかく大きな本屋に身を埋め、てくてくと無作為に歩き回りながら、目についた本をほとんど衝動的に購入して、勢いで読み切る。そういう「読書」が好きで、なんならほとんど偏愛的な趣味とも言える。  日が傾き視界を突き刺す西日が1日の終わりを予告する頃、今日も大型の本屋に出かけた。読みきっていない山積みの本に一瞥をくれながら重い鉄の扉を開け玄関を後にする。後ろめたさ、のようなも