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彼女のドタバタ女将日記②お金を借りるって本当大変!
さてさて。彼女はやっと思いでつかんだ外資企業でのポジションを手放し、飲食業の女将になる決意をしたわけですが、開業に行き着くまでに、さまざまな困難が待ち受けていました。そう簡単には、開業までいきつかないもの。開業資金の調達をしなければいけませんので・・・・。
まずは、店舗探し
不動産屋さんを回って店舗の下調べをしていた彼女。昼過ぎまでうだうだと寝ている無職のオットをたたき起こして、
不動産屋さんに相談に行ってみようよ!!
と誘ってみた。すると、オットから意外な言葉が!
オット:もう、場所は決まってるよ!!
彼女 :はぁ?? どういうこと?
オット:もう、場所は確保できてるから。
彼女 :だから、どこに?
オット:うちの実家の駐車場!
彼女 :どこの?
オット:日吉の!
そんな話、寝耳に水の彼女。オットの実家の持ち物である日吉の駐車場を、店舗にするなどという話は、この時初めて耳にしたのだ。でもそれはそれでよいと思った。なぜなら、店舗探しは一番の難関と、うわさで聞いていたからだ。逆にラッキーだとさえ思えた。
その駐車場には2,3台の車が契約していた。オットの母からは、月末には契約が切れるので、そのあと空き地になる予定だと聞かされた。オットとオットの母が納得しているのであれば、それはそれで嫁としては楽だ。よし、ならそこにしよう。彼女も同意した。その場所をその目で見る前に、同意してしまったことに、後々後悔をすることになるのだが・・・
次は、資金調達
さて、お次は開業の最大の難関、そう、資金調達だ。オットは無職で貯金ゼロ。私はしがないOL稼業。大金を持っているわけではなかった。当然、どこかで借り入れをしなければならない。
開業資金ってどうするつもりなの?
とたずねたら、あっけらかんと言われた。
銀行が貸してくれるんだよ。と。
あ、そうなんだ、お金って銀行が貸してくれるんだ。社会の常識を何もわかっていなかった28歳の小娘の彼女は、銀行ってところは、お願いをすれば簡単にお金を貸してくれるのだと信じてしまった。
信用って⁈ お金を借りるために必要なもの!
さて、銀行との交渉が始まった。まずは、大体の開業資金の見積もりを出し、事業計画を作った。そして、これくらいの金額を貸していただきたい・・そんな内容でお話をさせていただいたと記憶している。
承知しました。それでは、いつまでにご用意すればいいのでしょうか?
と、そんな感じで話がポンポン進むもんだと思っていたら、そうはいかなかったのである。
無職の35の男に、簡単に銀行がお金を貸してくれるわけがなかったのだ。今考えれば、当たり前のことだ。貯金も職もない人は、信用がなかった。当然、お金を貸してくれるはずなどないのである。
それでは、私に・・ということでどうでしょうか?
と、おずおずと話を切り出してみた彼女。だめもとだった。
あくまでも、経営者さんはご主人様ですから、ご主人の信用が必要です。。。と銀行さん。当たり前だよな・・と今なら理解できる。
信用がある人ってどんな人?
その時初めて、彼女の中に不安と疑問がわいた。
信用のある人ってどんな人?
いままで彼女が生きてきた時間の中で、彼女の考える信用がある人とは、次のような人であった。
1.誠実な人
2.嘘をつかない人
3.約束を守る人
4.時間を守る人
5.陰口を言わない人
などなど。
そんな人を信用のある人と思っていた。しかし、開業となると上記に加えて、下記も追加されることを、改めて知った。
1.貯蓄額がある程度ある人
2.財産や資産、持ち家などがある人
3.ある程度の年収がある人
4.社会的な経験が豊富な人
などなどだ。貯金は彼女名義の200万弱だけだった。財産なんてものは持ち合わせていない。持ち家もない。年収は・・・いうまでもない。飲食店経営の経験はまったくのゼロ。
これでは、どこの銀行も開業資金を貸してはくれはしなかった。途方に暮れるとともに、情けなくて涙が出て止まらなかった。
お金って、借りるの、簡単じゃないじゃん!!そう言って、大声て泣いてみた。泣いてみてもお金を貸してはくれない。みんなどうやって資金調達してるんだろう。
手を差し伸べてくれたのは、地元の地方銀行だった
だめもとで、地元の地方銀行へもお話をもっていってみた。話を聞いてくれた担当者が、上司と相談し、店舗の土地を担保にし、店舗の2階を賃貸として収入を得ることができるのであれば、貸してくれる言ってくれたのだ。
家族の住処をあきらめた
当時、オットの実家の庭に建てられたアパートの1階に間借りをしていた彼女とオット。当初は、店舗を建てるのであれば、2階を住居にして1階を店舗にする計画tだった。ところが、唯一資金を貸してくれると言ってくれた地元の地方銀行は、2階を住居ではなく賃貸として別収入を得られることを条件に貸し付けをしてくれるという。つまりそうなると、自分たちの住むための住居は、必然的に用意できなくなる。今まで通りオットの実家での間借生活を続けなければならないのだ。究極の選択。迷った。迷って、迷って、迷って、そして決めた。のちに大きな問題に起こることを予想できなかった彼女は、店舗の2階を賃貸にすることに同意した。
そんなこんなで、やっとのこと、お金を借りることができたのである。
お金借りるのって、ほんとに大変だ。
お金って簡単には借りれない。彼女はこの時そう思った。これから先も、こうやって少しづつ、現実とぶつかって進まねばならないのだろうか。
自宅近くの鶴見川を歩きながら、ため息ばかりがでた。ふっと見上げると、夕日。
元気出して前に進んでね!!
夕日がそう言っているように思えてならなかった。がんばろう!ここでへこたれてはいかん!!そう自分にいいきかせて、黙々と夕方の鶴見川沿いをウォーキングしたのであった。
続く。