
⑤店のロゴを作る
お菓子の箱はけっこうしっかり厚みのある紙を使って作ることにしました。展開状態で納品された方が場所をとらなくていいのですが、工房でしっかりホチキス留めされた箱の方が断然雰囲気が良かったのでそちらを選びました。ご近所なので50〜100個単位で細かく納品してくれるというのもありがたかったです。今思えばオカメサブレの異様な熱意を応援してくれていたのかも知れません。お菓子が映えるし上品なので色は白を選びました。さらに「箔押し」加工ができるということでロゴマークを箔押ししてもらうことにしました。まだ始めたばかりのほとんどだれもしらないお菓子屋にしてはかなりぜいたくなものを作ったと思います。何も知らないということはときにこうした決断をあっさりできるという利点もあります。箔押しは別工房に外注するとのことで「ロゴマークをaiデータでください」と言われました。私は、えーあいでーた?という感じですから聞こえないふりをしたかったですがそうも行きませんのでaiデータというのはAdobeのIllustratorで作ったデータのフォーマットのことのようだと突き止め(検索する能力くらいはあるので)、またしても友人の中からデザイナーを仕事にしている人に頼みました。とっても優秀に違いない、先生というあだ名の彼は私がノートにマッキーでごにょごにょ描いたロゴマークをきれいにデータにしてくれました。それなのにわたしは綺麗すぎてなんか違う、みたいな理由で本当にわたしの描いた歪みも適当さもぜんぶ!本当に!そのままに!やってくれとお願いしてやり直してもらいました。しかも何回もやりなおしてもらいました。わたしも自分の手描きのロゴを完璧なものにするため修正ペンやコピー機を使って「ほんとうにこの通りでいいもの」に仕上げました。遠慮したのは1回だけで、あとはあちらもプロなんだから、とことん付き合ってもらおうと思いました。このことから相手を信頼しておまかせするということを学びました。いやな顔ひとつせず何回も直してくれた先生のおかげでファインダーごしの画像のピントがだんだん合ってくみたいに最後は「これです!!もう1ミリも動かさなくていいです!!」というものが出来上がりました。