イワナガヒメは鏡を投げた
こちらの記事で登場したイワナガヒメ(石長比売)。
その醜さゆえにニニギノミコト(邇邇芸命)に返されてしまったのち、古事記には登場しません。
しかし、宮崎県の西都市、銀鏡(しろみ)という地に伝承が残ります。
自らの醜さを嘆いたイワナガヒメは、その姿を映す鏡を投げるのです。
その鏡は、今の西都市にある竜房山(りゅうぶさやま)の頂上の木に引っかかり、西の麓の村を明るく照らしたので、そこを白見と言うようになります。
そして、投げた鏡が銀の鏡だったことから、銀鏡(しろみ)の名がついたそうです。
そしてこの地には、その鏡を御神体としてイワナガヒメを祀る、銀鏡神社があります。
イワナガヒメのお父さんである、大山祇(オオヤマツミ)大神も一緒に祀られていますね。
と、ここまでのお話だと、イワナガヒメは悲劇のヒロインですね。
いま私の手元に資料はないのですが、約7年ほど前に、イワナガヒメのお話を地元の方から聞く機会がありました。
銀鏡は、西都市との合併前は、東米良村と言いました。(お隣の西米良村は、今も市町村としてあります。)
この米良(めら)という地名、
イワナガヒメが、米が良くできる地だということで、
「米良し 米良し」
と言ったことから付いた、というお話が残っているようです。
私はこのお話を聞いた時に、
手ぬぐいを頭に巻いたイワナガヒメが、額に光る汗をぬぐいながら、
さんさんと照り輝くお日様を見上げて、
「米良し米良し」と、
愛嬌のある満面の笑みでつぶやく姿が思い浮かびました(^^)
(イメージとしては、ガンバレルーヤのよしこさんのような素敵な笑顔です^ ^)
イワナガヒメは、鏡を投げて、鍬(くわ)に持ち替え、
また別の幸せを見つけたのではないでしょうか^ - ^
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