未来への種まき
私が担当している小学生対象の陸上教室も2024年度の練習がスタートしました!
こちらは自分のランニングクラブとは違い、陸上の「走・跳・投」をテーマに、走るだけでなくボールを使ったり高跳びや幅跳び、他のスポーツなど様々な動きに挑戦します。
この陸上教室は8年前から担当しているのですが、始めた当初指導者としても母親としても駆け出しの私はちょっと驚いたことがありました。
それは、練習メニューに新しいことや難しいことを入れるとやりたくないと嫌がったり、リレーでチームを自由に組ませると足の速い子は速い子としか組みたくない、あまり速くない子は自分は速くないから走りたくないという子が思った以上にいるということ。
その子たちからなんとなく感じるのは、速い人や強い人が上(偉い)、遅い人は下、出来ないのは悪、のような序列です。
新しいことや難しいことに挑戦する時、出来なくても当たり前、これから出来るようになるための過程なのだから失敗は気にせずチャレンジしてもらいたい、でも失敗したり走るのが遅いとその場で自分の評価が決まってしまうと思っているのか、トライすること自体を拒否してしまう子が何人もいました。
どうしてそんな風に思うのか…
想像するに、普段から
◆速い=○、遅い=×
◆出来る=○、出来ない=×
◆強い=○、弱い=×
◆結果が良い=○、結果が悪い=×
◆勝ち=○、負け=×
こんな感じに、人から評価されている、また人を評価しているからではないでしょうか。
結果が良いのはもちろん良いことです。挑戦や努力の成果ですので、もちろんそれを評価するのが悪いわけではありませんが、成長過程の子どもたちにとって結果以上に重点をおくべきなのは、取り組みなどの過程だと考えています。挑戦なくして成功なしと言うように、何事もやってみないと道は開けず、また何度も繰り返し取り組まなければステップアップもありません。
子どもたちが周りの目を気にして結果や失敗を恐れ萎縮してしまっては、出来ることしかやろうと思えないし、特に足が速くない子やスポーツが得意ではない子は自己肯定感がどんどん下がってしまいます。
子どもたちがそう思ってしまうこと、それ自体は子どもたちに責任はありません。そう思わざるを得ない経験がそうさせているのだろうと思うからです。
だから、これからはそう思わなくてもいいんだよ、失敗を気にせずどんどん挑戦しよう、人には人それぞれ違う良いところがある、本人でも気づいていない出来ていることや良いところがこんなにあるよ、そんな風に感じてもらえるような・安心して色々なことにトライできる環境を提供したいと、この陸上教室を続けています。
私は何度も何度も何年も何年も言い続けています。
・よく挑戦したね!
・おしい!ナイストライ!
・○○○ができてるよ!
・そのアイディア面白いね!
・次それを活かしてまたやってみよう!
・カバーしてくれてありがとう!
・(実際挑戦できなくても)観るだけでも勉強になるよ、しっかり観察できてるね!
・悔しい気持ちは大切、向上心の表れだよ!
・自分のペースでいいよ!
・周りは気にしなくていいよ!
・あなたのその○○○がチームの力になっているよ!
などなど…
すぐには変わらなくても、焦らず根気よく丁寧に、大人が安心して挑戦できる環境を提供し続ければ、子どもたちはいつか自分のペースで歩みを進めてくれると思います。それが何年先であろうと、いつかどこかで何かの力になればこんなに嬉しいことはありません。だから今のこの関わりは、いつか花が咲いたらいいなと願っての、子どもたちの未来への種まきだと思っています。
さまざまな成長を見せてくれる子どもたちに感謝しながら、今年度もこの教室のみんなとユーモアをもって頑張っていきたいと思います!
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