⑰未知数な男
Dくんのマンションへ来るのは2度目。
1回目はただ数十分居ただけで何もなかった。
でも今回は、何もないわけ無い。
しかし、部屋についた瞬間から始まると思ったが
そんな事はなかった。
Dくんは普通に私にタオルと寝間着を渡し
お風呂を沸かしてくれた。
私が髪を乾かしている間にDくんもお風呂に入った。
そしてセミダブルのベッドに並んで横になった。
「じゃあ、おやすみなさい」
『…おやすみ』
??????????????
何もなし…???????
一体全体なんだったんだ
さっきのタクシーのくだりは???
がっついても来ないし、
何考えてるかわからない。
なんで、私を部屋に誘った?
なんで先輩から私を引き離した?
なんで私、こんなところで寝ているんだろう…
そもそも女と二人でベッドにいて何もしないなんて
私は女として見られていないんだろうか。
これだから年下はわからない。
そんな思いをぐるぐる巡らせながら
寝返りを打ち横を向くと
こちらを向いていたDくんと目が合った。
「…本当に寝ちゃうんですか?」
『え?』
そう言ってDくんが私に手を伸ばす。
顔にかかった髪を優しく除けてくれる。
そして髪を整えながら髪をなでてくれた。
私は、静かに目を閉じた。
それが、先ほどの質問への返事だと分かったのだろう。
Dくんは私にキスをした。
がっつきはしないが、やる気はあったか。
本当に、年下男は未知数だ。
そして、ちゃんと女に見えていたことに安心した私は、キスに応えた。
Dくんのキスはとても気持ちがよかった。
何度も何度もキスをして
Dくんが服を脱ぎ私の上になる。
下から眺めるDくんの顔、首、鎖骨、二の腕が
綺麗すぎて私はさらに欲情した。
Dくんは私の全身に丁寧に触れ
最後に自分にも触れて欲しいと求めてきた。
その顔がたまらなく愛しかった。
私もDくんを存分に可愛がってあげた。
その後は再びDくんが私を愛でてくれた。
DくんのSEXは技術面も申し分ないし
体力も充分だった。
私がもう腰が立たなくなりそうな位まで
Dくんは私を抱き、何度も求め合った。
普段は無口で、クールで、何を考えているか分からない年下の彼からは想像できないSEXだった。
やはり年下男は未知数だ。
そして二人、溶けるように眠りについた。
翌日、シャワーの音で目が覚めた。
時間は朝6時。
そうか、Dくんの家に泊まったのか。
そして今日も会社に行かねばならない。
1度家に帰り服を着替えたいと思った私は
シャワー中のDくんに声をかけた。
『私、一回帰ってから出社するからもう出るね!』
Dくんはシャワーを止め、ドアを開ける。
「送りましょうか?」
『大丈夫!じゃあまた会社でね』
「気を付けてくださいね」
『お邪魔しました』
そう言って私はDくんの家を出た。
DくんとついにSEXした。
私は昨夜の余韻に浸りながら家路についた。
いや、でもしかし待てよ。
別に付き合ってないし
同じ会社の後輩とセフレにはなりたくない。
そもそもDくんは
どういう気持ちで私と寝たんだろう?
好きだからってことだよね?
好きでもない女、
しかも同じ会社の女に手出さないよね?
いや、でも…
…DくんとのSEX良かったな…
拗らせ女33歳は、セフレなのか彼氏なのか
年下男との情事に浮かれつつ、しかし頭を悩ませながら会社へと向かった。
つづく
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