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重なり合った偶然の末に天職と出会う26
これまでの流れ・まとめ
昭和63年
4月:入社、就活中に偶然出会った百貨店に就職し食品酒売り場に配属になる。
お酒売り場では、お酒が飲めない、知らないお酒でしたが勉強すればするほど面白くなる。
5月:中国物産展に応援参加 全く違う売り場を1日で横浜中華街に変身させるどんでん返しを目の
当たりにする。
6月~8月:繁忙期
百貨店の繁忙期はお中元とお歳暮の期間 新人はまず物流センターからデビュー。
商品の発注、仕入、の入、返品など基本的な業務、物流業務の流れなどを経験。
物流センターでは、年の変わらないバイト君たちとラフな格好で、過酷だが楽しく仕事。
8月:繁忙期が終わると本館に戻りギフト解体セールでもみくちゃに。
このような流れで怒涛の様に新入社員の前半が過ぎて行きました。
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北海道物産展
1年の中でも最も大型で売り上げの大きい物産展が北海道物産展です。私の居た百貨店では毎年、 10月に開催されていました。
準備(買い付け)
企画段階では前年から色々と企画が進んでいますが、実際の活動としては6月くらいから始まっています。新入社員では同行できませんが、担当のマネージャー、係長クラスは5~6月に北海道に買い付けに飛んで
・その年の開催の詳細を出展者の方たちと個別に打ち合わせをし、全体の方向性(コンセプト、
テーマ、売り上げ目標の規模間、等々)大々的に各出展者様と打ち合わせ会を実施します。
・初出店の出展者さんのお店を訪問し実際の出店に際しての段取りについてお互いに打ち合わせを
します。
・その他新規開拓の為、今話題になっているお店、流行しているもの、を見たり食べたりするため
に駆け回ります。
・直接買い付けるもの(例えばじゃがいもとか玉ねぎ、昆布など)をバイヤーとして作付け状況を
見る為に農場に言ったり漁協を回ったりします。
・出展者様と夜の懇親会に出席したりもします。
・開催に際し協力いただく庁舎などを訪問し知事さんや、代行の方と面談、宜しくお願いしま
す。(北海道であれば北海道庁など)
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主催
私の居た百貨店は大阪では2つしか無かった北海道庁の主催でした。(当時)その他は、北海道庁の協力であったり、函館市、札幌市の主催であったり、北海道物産協会の主催であったり、色々あります。物産展のチラシなどを見ると書いてありますので関心のある方は一度チェックしてみてください。
その他諸々の業務がありますが、まぁとにかく1週間~10日北海道各地のホテルを転々として朝から晩まで走り回り、飛び回り帰ってきたメンバーはクタクタになってしまうくらい大変な仕事です。
準備(事前販売 カタログ通販 開始)
当時は物産展といえば売り場での開催期間は、殆ど1週間の開催でした。実際には1日準備の日を除き6日間。その頃は百貨店も必ず週1回定休日がありました。その定休日に休日出勤をして準備をします。
しかし、実際の物産展はもっと前から始まります。 特に北海道物産展の場合は早目に8月中旬からカタログ通販と言う形で販売が始まります。
当時はインターネットや、SMSは無かったため、カタログを作って外商やカード会員のお客様、友の会のお客様、通常から会員の通販ショッピング会員のお客様などにパンフレットを送り販売が開始されます。
会場はありませんがカタログのみの販売で、北海道物産展の商品が盛りだくさん。「塩鮭」「じゃがいも」「たまねぎ」「お菓子類」「冷凍配送のいくら、うに、ほたて」「昆布」そのた本当にたくさんの商品が掲載されています。
これが売り場での1週間の開催期間の売上よりも何倍も大きな売り上げとなります。
販売期間も8月中旬から実際の物産展が終わってもまだ続き11月ごろまで継続されます。
カタログ作成
これらの通販カタログを作成するために、企画部と打ち合わせ、出展者様と連絡を取り、ものによっては現物を送ってもらいます。どの百貨店でも通常自前のスタジオと専属のカメラマンが社員として常駐しています。日ごろからモデルさんのファッションの撮影をしたり、商品の撮影をしたりして、最終的には新聞に折り込むチラシに成ったり、店内で配る為のチラシになったりします。(チラシを作成するのは印刷会社で、その前の写真撮り迄は多くの場合百貨店でやっています。
スタジオを事前に予約し、それまでに写真撮り用の商品、器などの備品を出展者様に送ってもらい、スタジオに持ち込み撮影してもらいます。印刷会社の方と再度打ち合わせ、ゲラを摩って貰い校正を何度か繰り返しカタログが出来上がります。
これらの仕事も物産展の担当者が主となって携わっていきますので物産展が始まる前でも大変忙しいのです。
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準備(製図)
以前にもお話ししましたが、実際の会場になる百貨店の売り場は前の催し物の撤去が一旦終わると何もない天井と床と柱だけの状態になります。そのなにも無いスケルトン状態の場所に1日にして北海道物産展会場が出来上がるのです。
そのための図面を引くのも担当者の仕事です。会場となる売り場の平面図の青写真の上に定規とシャープペンシルで1/100の図面を作成していきます。製図機では無く手書きです。
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次回に続く