重なり合った偶然の末に天職と出会う⑱
伝票⇒ 発注・納品⇒ 包装・出荷 【トラブル発生!】
伝票
繁忙期と言うだけあってものすごく繁忙です!つまり超忙しい!お客様から承ったお届けの伝票は何万枚と毎日のように本館から物流センターへ送られてきます。お客様がご注文になった伝票はそれ自体がお金と同じであり、お客様(送り主様)からお届け先への大切な気持ちそのものであり、一見ただの紙切れのように見える伝票の扱い方を、社員はもちろんアルバイトさん、パートさんにも徹底して理解して頂きます。それらの伝票に記入された商品(つまりお客様が申し込まれた商品)にお中元やお歳暮などの熨斗紙を貼って包装紙で包んで伝票を貼って出荷する。が一連の流れです。ケースによって異なりますが概ね、いわゆる簡易包装と言って商品にお中元のマークがあらかじめ印刷された包装紙を掛け、伝票を貼付して出荷します。
伝票には様々な内容が記載されています。お届け先、ご依頼主、ご依頼の商品名、御用の熨斗形式(お中元、お歳暮、お祝い、内祝い、粗供養などなど)、ご注文を頂いた日にち、お届けの希望日(希望がある場合のみ)、伝票番号(追跡の際に絶対に必要)等です。数枚つづりになっており、伝票が通過する様々な部門で1枚ずつ控えを取って行く仕組みになっています。
発注・納品
お客様がご注文になった商品を、担当者はそれぞれのメーカーさんや問屋さんに注文しておきます。伝票として物流センターに到着してから発注していると出荷お届けまでかなり時間が掛かってしまいますので、あらかじめ商品の動きを予測し、商品を発注しておきます。
この発注加減が発注担当者の職人技と言いますか、醍醐味でもあり、読みがピッタリと当たった時は「快感」です。
今どきはコンピューターが需要予測をしたり、お客様がご注文のデーターがレジを通った時点で集計され自動的にメーカーさんや問屋さんに発注されるシステムになっていたりしますが、当時はほぼ手作業と経験に基づく勘でした。まだWindowsも無い時代です。(笑)
発注は商品によって締め時間があり、納入までのリードタイムも翌日、翌々日などまちまちです。百貨店のギフトカタログに載っている何千種類もの商品を発注先、発注時間、リードタイムなど把握して数名の担当者で発注管理します。
納品はトラックに乗ってやって来ます。どの商品も3~5個ずつ段ボールケースに詰められ納入されます。トラックからおろし、商品ごとに決められた所定の位置まで台車で運び在庫として積んで出荷を待ちます。通常在庫は、売れ筋商品であれば1,000個単位。少しでいいものは数個の在庫で良いものもあります。賞味期限がありますので先入れ先出しがとても重要になります。在庫のものをいったん避け、新しいものを下に積み、元々の在庫を上に載せるという作業も発生します。イメージは下のような写真ですが、実際には、多くのものは天井まで積上げられていたりもします。
包装・出荷
繁忙期では特にお中元とお歳暮に関してはお客様がお申し込みの際、簡易包装にてお届けしても良いかどうか確認した上でOKであれば伝票に印が入ります。
簡易包装とは
・通常包装では、商品に熨斗紙を張り付け百貨店の包装紙で商品全体を完全に包み(完全包装)
お客様の伝票を貼りつけ出荷します。
簡易包装では、あらかじめ熨斗マークが印刷された包装紙を、商品の上に掛け(天掛け)バンド
やテープで固定し、出荷する形になります。
・メリット
①作業効率の大幅な短縮:包装せず包装紙を掛けてバンドで止めるだけで且つ、熨斗紙も貼らな
くてよいので圧倒的に作業効率が速くなります。
②資源保護:その頃SDGsと言った考えはありませんでしたが、エコとか環境資源保全といった考
え方は広がっていました。完全包装と比べ包装紙の量は4分の1に抑えられます。
いずれ包装紙はゴミになりますから。
・デメリット
①出荷間違い:お客様から預かっている大切な伝票と商品に作業員が接する時間が極端に短くな
るため、作業効率は上がりますが間違いが増える可能性があります。商品違い、
熨斗違い(お中元ではないのにお中元で行ってしまう)など
②汚損:完全包装ではないのでお届け先様に届くまでに、商品が何らかの事情で汚れてしまう事
も。ギフトBOXに入っているので中身にはほとんど問題はありません。
いずれの場合も人が注意して扱う事で大幅に減らすことが出来ます。
商品は様々な大きさがあります。包装紙のサイズを商品によってチョイスし、あらかじめ包装紙に伝票を張り付けて準備しておきます。実際には
①納入されると即、トラックから降ろす段階で段ボール箱から中の商品を出しながら下ろします。
②ローラーの上を転がっている間に事前に伝票を貼った包装紙を巻き付けます。
③ローラーの先端がバンドマシーンに連結されていて、流れてきた商品はそのままバンドで固定
され出荷の為のベルトコンベアに載せられます。
ここまでが出荷の一連の流れになります。
トラックが着くと蟻が角砂糖に群がるようにアルバイトさんがトラックに取り付き段ボールを開け流れるように作業が進んでいきます。この光景は結構スカッとします。
トラックの荷台はみるみる商品が無くなっていきます。あとには大量のダンボール廃棄が出ます。
数年後メーカーからの納入にダンボールはほとんど無くなりました。ストレッチフィルム(荷物用の大きなラップ)が世に出回り、輸送時荷崩れする危険性が大幅に改善された為、すべての作業工程で段ボールに入れる、出すという必要がなくなったためです。どうせコストが掛かるゴミになり、作業効率も悪いという事。そもそもギフト箱に入ったものをさらに箱に入れて2重包装になっている事に対するムダの削減にもつながりました。