E172:土曜昼の自作カセット
【連続投稿:第92日目 ライラン2:第3日目】
昭和の音楽鑑賞は大変だったのである。
1980年代、私は小学生〜高校生にあたる。
当時は今のように聞きたい音楽が、スマホと手元の操作ですぐに手に入るような時代ではなかった。
当時、シングルレコードが700円。
小学生のお小遣いで、何枚も買えるようなものではなかった。
その時お世話になっていたのがこれ。
番組はわからなくても、テーマ曲でハッとする人がいるかもしれない。
土曜日、お昼1時
FM東京(現TOKYO FM)系全国ネット
コーセー歌謡ベストテン
現在も同じ時間帯で放送されている「JA全農カウントダウンジャパン」の源流である。
ちなみに、先週のランキングを見たけれど
2曲しかわからなかった。😭
昔はイントロ3秒で、全部わかったのにねー。
当時のDJは、宮川泰さんと丸木陽子さん
残念ながらもう2人とも鬼籍に入られている。
楽しく話している2人のMC部分をうまいこと編集して、オリジナルのカセットテープを作るのである。
今とは違って、当時のFM放送はイントロ部分にMCを入れず、曲を最初から流してくれていた。
お金のない小学生にとっては、とてもありがたい番組であった。
ところが、ちょっと録音ボタンのタイミングを間違ってしまうと、宮川さんのMCが入ってしまう。
私は、ちょっと不機嫌になり、母に文句を言った。
「大体やな、なんでこのおじさん、一人ひとりの歌手の曲に偉そうにコメント言ってるの?」
すると、母が笑いながら言った。
「このおじさんねぇ、作曲家の大先生なのよ」
へぇ。
このおじさん、いや、大先生が「紅白歌合戦」の蛍の光の指揮をし始めたのは、もう少し後のこと。
本当に大先生だった。
ズームイン!のテーマ曲も
宇宙戦艦ヤマトも
カリキュラマシーン(=チコちゃんに叱られる)のテーマ曲も
全部この先生の作品なのだと、後でわかった。
ちなみに、マツケンサンバⅡは
宮川先生の息子さんの作品だ。
今や、息子さんも大先生。
昭和のあの頃、土曜日の昼下がり
宮川先生の声をうまいこと避けながら(←失礼)
曲をカセットテープに収めていたあの頃が懐かしい。
それに、コーセー化粧品の新商品に妙に詳しくなったりして…笑
宮川先生、そちらに行かれてだいぶ経ちますが、お元気でしょうか?
あの頃は邪魔なんて言ってごめんなさい。
今はサブスクなんてものがあるんですよ。
ほんと、便利な時代になったなぁと思う。
土曜の昼、そうめん、ベストテン、カセットテープ
なんだか全部、懐かしい思い出に変わっている。