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E80: イイフーフかなぁ…
夕方、僕の携帯にいつもの電話が入る。
「何か買って帰るものある?」
向こうの方が少し遅れて帰宅する。
こうやって駅から電話を入れてもらって、
その日の晩御飯の最終確認をする。
食材は僕が考えるけれど、
やっぱり買い忘れてしまったりするから。
だからこうやって、夕方、帰宅直前に
スーパーの前から確認の電話をもらう。
それが我が家の日課なのである。
僕は、
冷蔵庫の中を眺めながら、
「豆腐、買ってきて」とか
「卵の値段だけ見てきて」
なんて頼んだりする。
もう会話というより、伝達事項のような…。
ある日のこと。
「食パン買ってきて」と伝えると
「食パン?わかった。それだけ?」と返事。
それだけ?
という言葉の中に
本当に、小さな小さな不機嫌を感じ取る僕。
(ん?あんた機嫌悪い?)笑
「怒ってる?」
わざと聞いてみた。
「怒ってない」
…あ、そう。
それ以上追求しない。
帰宅後
スーパーの袋を受け取ると
着替えもそこそこに、堰を切ったように話し始める。
「ねぇ、聞いて!同じ課の〇〇さんが△△でねー」
…やっぱり。笑
僕は知っている。
あなたは、我慢強い。
僕よりも。
そして、優しい。
実は僕より、人間ができている。
面と向かって言った事はないけれどね笑
あなた、溜めるから、しんどいよね。
今は
ちゃんと家で吐き出してくれるようになったから、
逆にホッとする。
出会った頃、あなたの喜怒哀楽がわからなくて、
とても苦労した。
だから、あなたの真意をつかみ損ねて、
僕はイライラした。
若かった。
今よりもっと元気だったけど。
若かった。
赤の他人と暮らすことが、
こんなに難しいことだとは、思わなかった。
あの頃は、あんなに自信がなかったのに…。
ところがどっこい
18年って、すごいな、と思う。
あなたの声だけで、
いろんなことを感じ取れるようになった僕を、
もう少し褒めてはいただけませんか?
いつもありがとう。
11月22日だってさ。
これからもよろしく。