E177:あぐらのおばちゃん
【連続投稿: 97日目 ライランⅡ: 8日目】
直接怒られたわけでもないのに
子どものころ、テレビで見ているだけで、
やたら怖かった人って、いませんか?
小さい頃(幼稚園に行く前)の私は、
ヒゲのおじさんが近づくと、泣き
声変わりしたての中学生が近づくと、泣き
祖母の家の掃除機が爆音を立てると、泣き
もちろん、記憶のないものあるが
要するに、色々と怖がりだったのである。
暇さえあれば、ビービー泣いていた。
やたら、いろんなものが怖かったのである。
「掃除機」や「ヒゲ」はなんとなく理解できるものの、今から思えば、なぜそんなに怖がってきたのか、よくわからないこともたくさんある。
その中の、ひとり…。
この人のことも、なぜ怖がっていたのか、
今となっては、よくわからないのである。笑
歌手 梓みちよ、その人である。
当時、テレビに出ている人で、なぜか、ものすごく怖かった「おばちゃん」だったのである。
毎週日曜日のお昼、満面の笑みで
「新婚さん、いらっしゃーい!」
なんて言っているのに(= 71〜78年)それがまた、とても怖く思えて、感覚的に怖かったのである。
この人は、日曜日に三枝さん(=文枝さん)の横にいるだけでなく、時々歌も歌っていた。いやいや、実はそれが本職だったのだが、子供の頃はそんなこと、わからなかった…。
イントロが鳴り、にこやかに歌い始めたのに、
急に「2番」になると、よっこらせ、とあぐらをかくのである。
(何だ、何だ?このおばちゃん……)
そんなおばちゃん、今まで自分の周りで、見たこともなかったので、4歳の僕にはとても怖かったのである。
それなのに、
もう少し後になって、
この「2番で急にあぐらをかくおばちゃん」が、若い頃、とても可愛らしい歌を歌っていたことに、また衝撃を受けた…。
🎵こんにちはー赤ちゃん!私がママよ!
え? え? え?
あの人は、この人なの??
幼い頭の中が、混乱した…
そうそう、これは、大人になってから知ったことだが、若い頃、中尾ミエさんと、気に入らないことがあると、取っ組み合いのケンカをしていたらしい。
ひえ〰︎
もう大人なので泣きはしないが、
代わりに、ちょっと笑ってしまった。
やっぱり子どもの時の「直感」は正しかったのかな?
なんてね。
あんなに怖かったはずなのに、
今や、カラオケで歌いたくなる。
酒飲みでもないのに、歌いたくなる。
亡くなって、もう4年
早いなぁ。
今はしみじみ、
いい歌だなぁ。
今見たら、美しいな、と思う。
なんで、この人が怖かったのかなぁ…笑