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E240:久しぶりに歯医者で…

約20年前、歯医者にて

「ちょっと痛かったですよ…」 

「あ、本当にすみません」





あ、皆さんは今、頭の中でどんな想像しましたか?


多分ですけど、その想像は、違うと思います。



実際はこうです。





歯科医師「ちょっと痛かったですよ…」

げん「あ、本当にすみません」

医師「あのね、源太さん、信頼してくれてるのは嬉しいんだけど、お願いだから治療中は起きててくれるかな?激務で疲れているのはわかってるけどね」

げん「す、すみません。僕はまた寝ちゃったんですね」

医師「源太さんはね、うとうとし始めると開けている口がどんどん閉まってくるんです。そして私は指を噛まれる…」

げん「だってね、先生の治療、全然痛くないんでね。だから僕は安心して…」

医師「…いや、寝たらアカンがな!」

げん「…す、すみません。落ち着くんです」

医師「…もう! 源太さん!」

いつも漫才みたいなやりとりで、横にいた助手の方が、ずっと笑い転げていた…。

もう引っ越しをしてしまったので、その歯医者には通っていないが、時々思い出す。


「その節はお世話になりました。先生、元気にしてらっしゃいますか?」


あれから約20年、何度か引っ越しをして
今はまた、別の歯医者に通っている。


いつの間にか、ドクターも自分よりずいぶん年下になったものである。

いつも5分ぐらい時間をとって、現状をいろいろ説明してくださる。この20年で治療の仕方も変わったのだと思う。


ただ、何も変わっていないのがこの私。笑


今の先生も、若いがとても優しくて、丁寧に治療してくださる。怖がりの私に対して、「今日はちょっと痛みを伴いますよ」とか、「今日は、短時間で済みますよ」とか、大体その日の状況を説明してくれるので、私は安心して口を開けている。

痛みを伴わない時で、かつ、自分が猛烈に疲れているときに、診察台に登ると、あの頃のように、ウトウトしてしまう。

普段は、怖がりのくせに、今日は痛みがないとわかると、途端に睡魔が襲ってきてしまう。勝手なやつである。

一生懸命治療してくださる先生に大変申し訳ないと思うから、起きていようと思うのだけれど、先日、とうとうやってしまった。

口を開けたまま、数分間の記憶が飛んでしまった。

(あ、やってしまった…!)
あの、20年前の状況を思い出した。

さすがに先生には聞けなかったので、帰り際、助手の方にこっそり聞こうとした。

「あのー、私やっぱり寝ちゃってました?」

「あはは、そうですね。時々寝息が聞こえてましたので、気持ちよくお休みに……あ、でもですね。それは先生を信頼なさっているということなので、こちらとしても、それはうれしいことでございます」


寝息……たぶん、それは「いびき」

私は小声で聞いたのだが、この方はとても声が通る人で、多分先生にも聞こえただろう。

穴があったら入りたい…

いつもの定期検診で、歯科衛生士の方とやりとりするときには、こんな事は無いのだが、よりによって治療中にとうとうやってしまったのか。

寝息…ずいぶん優しく言ってくれたものだ。

………


本当にすみません。深くお詫びいたします。

ただですねー
最後に、1つだけ要望してもよろしいでしょうか?

こちらのクリニックのBGMで時々流れてくる、これ、何とか変えてもらえないものでしょうか?笑

だってこの曲ですもの…

おやすみなさい…

【連投161日目】

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