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墓参りの日 ノコギリ屋根の町で藍染

いつもは日帰りで行く両親と祖父母の墓参りへ、珍しく1泊で行きました。
たった1泊ですが、夫婦2人でというのは新婚旅行以来。
わざわざ宿泊する理由は、「居酒屋でビールを飲むから」。
ただそれだけ(笑)。

とはいえ、1番大事な目的は墓参り、というか墓掃除なので、汚れてもいい着物で行きました。

この帯は、夏から秋のいろんな虫が繊細な線と染めで描かれているのが気に入って購入。価格から、だいたい「何かあるのね」と推測できるのですが、アンティークの帯によくある「あら、ずいぶん手先(胴に巻く側)が短いわね?」「この模様はどうしたら表にでるの?」という仕立てで、タレも全体の長さも十分あるのに、手先が十分とれません。
普通に胴に巻くと前帯が白地だけになり、せめてあと10cm模様がズレていれば使いやすいのにな、と仕立て直しに出すかどうかの境目にある帯です。
柔らかい帯芯だし、おそらく帯枕なんて使わずに帯を結んで、角出しにして使っていたのだろうなと、かつての持ち主に思いを馳せつつ、自分なりにどうにか着付けます(ただの普段着ですから、自分の好きなイメージになっていれば良いと思います)。

でもやっぱり、普通に巻けるというのが、ササッと着付けが終われていい…。かつての持ち主は、それぞれが自分の好きな使い方に合わせて仕立てているので、昔の和服って、これぞオートクチュールという感じで、仕立て方が自由過ぎ(!)。
というわけで、銀座結びをほぼ手無しで。
紗の縞柄小紋は身丈が十分で、ありがたい着物です。
私の元へ来てから10年以上経ち、ずいぶん生地の力が弱ってきていて、突然バリっといきそうです。夏なので、胸紐、伊達締めは無しです。

さて、墓参りを終えてから居酒屋が営業をはじめる16時まで時間があるので、「織物参考館 紫」(森秀織物株式会社の運営)に行って参りました。
10年前に、私は息子と二人で来て以来の再訪。予約制です。

このノコギリ屋根の建物の中に、藍甕があります。

ノコギリ屋根は、「北向きの窓で直射日光を入れずに、眩しすぎない安定した光環境を作るため」このような形になったと、立て看板に書いてありました。普通の住宅には、これ、取り入れられないのかな…。

この雰囲気が大好きです。
古い木とコンクリートとすりガラス。自然光で明るく、それでいて暑くなく開放感がある気持ちの良い空間です。

ここに住み着きたいくらい。
ガラス戸の向こうの織機で、普段はお召の手織りをしているそうです。

藍染・ハンカチ(大)840円です。ゴムやフィルムケースでマスキングが終わったら、ちょっと水で濡らしたあと、藍で染めて水洗いします。藍の濃淡をつける場合は、これを繰り返します。

さっさと終えた夫が知らぬ間に撮ってくれていました

う~ん…ムラだらけ。もっとしっかりと「染まれ~」と思いながら甕の中でモミモミすればよかった。

フィルムケースをずらしながら、3度、藍で染めました。よく考えなさすぎて、駄作になりました…。

割烹着とゴム手袋は持参
もういいか、となって片づけ。従業員さんが優しく手伝ってくれます。
染めあがったら最後は、下の水から10秒ずつ順々に、洗い進めていきます。
「2.3.4.4.5」? 今、気づきました。
夫の。あら、い~じゃないですか、と眺める。

藍染を終え、まだ少し時間があったので、つい最近廃校になったことを知った、我が母校を見に連れて行ってもらいました。お山の元気な女子の園って感じの大好きな高校でした。
その後、岡村屋でホルモンを買って、ホテルの冷蔵庫へ投入し、いい頃合いの時間になりました。ちなみに、ここのホルモンは絶品です。発送もしてくれます。

来ました!
立派なタンクがお出迎え。

「養老乃瀧」です(笑)。
わざわざ…?と思われるかもしれませんが、サッポロ愛にあふれた良いお店です。
実家から歩いて行ける距離にあったのに、実家にいたのは未成年時代ですからビールに興味もなく。今は無き実家があった頃、帰省した時に行けばいいのに、この店のことをよく知らずに素通りしていたのを後悔。

養老ビール。
中身は黒ラベルです。ですが、樽のビールよりも、苦味にしっかりしたふくよかさがあります。美味~!
創業100年超え目指して頑張っていただきたい。
料理も美味しいのに安くて、たっぷりいただきました。

と言いながら、2軒目です。
「叙々苑」※東京などにあるかの高級焼き肉店とは無関係(のはず)です。
実家の近所のホルモン屋。ここには、しょっちゅうホルモンを買いに来ていましたが、店内で食べるのは初めてでした。
まさかの黒ラベル~!嬉しい、いい店じゃ~ンと言いながら、また乾杯。

焼き肉屋に行ったら食べ物は肉と〆しか食べません(笑)

良心的な値段で、ビールも美味しく、ホルモンも旨味があって美味しかったです。ヒモ、大トロ、中トロはすべて1人前330円(税込)。

ピートロ462円(税込み)

「いや~、食べたね~。」
「まさか、黒ラベルだったとはねー。」

といいながら、3軒目。
パフェで〆ました。
私は、もっと大きいパフェが良かったのですが、これが1番大きかった。
夫は、この時「もう、食えへん…」と思っていたと知り、それだったら言ってくれれば食べたのに~と、思いました。

よく食べ、遊んだ20年ぶりの夫婦旅でした。

お土産は、ノコギリ屋根をモチーフにした桐生織の「キノピー」ちゃんのしおり。


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