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只見線の思い出(一人っ子家族の旅は子どもに気を遣う…の巻)
新潟県の南方と福島県の西側をつなぐ只見線。
2011年の豪雨で、全線のうち福島県会津地方のもともとダム建設目的で戦後開設された区間が、地盤や陸橋の崩落の発生で不通となっていたのが、復旧工事を終え、昨年10月に全線開通になったそうです。
鉄道ファンや地元の方には「今更なに?」な、
遠方の人にとっては「…どこかな?」な話ですが…。
そういえばGWどうしよう??
と思って何気に旅行サイトを見ていたら、只見線全線開通、の情報に出くわしました。
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もともと「赤字路線」。満員御礼でも「赤字路線」。
「復旧には約90億円かかる試算で、たとえ復旧しても利益を見込めない」
「復旧費用の3分の1と運行後の経費も福島県と会津地方の市町村で負担する、つまり皆様の税金をつぎ込む」
ということから、全線廃線にして沿線の交通をバスで代替するという「廃線派」の意見を報道で見聞きすることが多かったので、「どうなるのかなあ~」と思っていましたが、ここ2~3年はすっかり忘れていました…。
長閑ないいところです。
他所者ですけど、国が復旧に3分の1を負担したということは、国民の税金も投入されているということなので、復旧させたからには”しっかりガッツリ商売してお金を儲けられるように”ガンバッテ欲しい!と思います。
山間部ではこの景色!!
写真は福島県の観光情報サイトから(無料でダウンロードできます)。
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福島県はお隣さんで、旅行の初日か最終日に組み込むのに丁度良く、父方の祖父母が田村市の出身で親戚がいたので、幼少の頃から馴染みのあるところでした。
が、只見線を知ったのは、息子が4歳の時。
どうやら、SLが走っているところを見られるらしい、と。
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我々夫婦の旅の第一目的はいつもビールで、この時も、新潟県の「八海山ビール」と「スワンレイクビール」を飲みに行くというもの。
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しかし、親の飲み食いに付き合う4歳息子が「つまんねー」という態度をとるようになったので(←当たり前!)、息子のためのオプションコースを加えるようになり、この時のオプションの1つが只見線のSLを見ることでした。
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スワンレイクビール
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とにかく息子は「回転体」が好き。
扇風機はもちろん、外に出ればタイヤ、道路の端や分離帯にあって車が通り過ぎるたびに回る反射板の掃除用ブラシ、茶畑の霜除けの扇風機…
回るものを見つけては、レッドカードを出す前の両腕を「くるくる」する動作をやり続け、店に行けば必ず本屋でもホームセンターでも換気扇を探しに行って、その下でずっと両腕を「くるくる」しているような特異な子でした。
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右上はチューリップ。いつも真上からの視点で描いていました。花びらが回るように開く、と。
走っている電車も特に好き。
煙を吐いて走る電車(蒸気機関車ですが)なんて、展示されたものか映像でしか見たことが無く、本当に走っているのを見られるとしたら、相当喜ぶこと間違いナシ!と思ったのです。
そうは言っても、目的の電車を見るのは「時間が命」。
前もって言っておきながら、時間通りに行動できず「見られなかった」、では信用が無くなり今後の生活に影響が出ます…。
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というわけで、新潟県でSLを見るのに丁度良いらしい咲花温泉に宿泊し、翌日はさらに会津若松駅でもSLが見られるよう、新潟泊⇒福島泊コースを設定しました。
旅館にはSLの運行時間と通過時間(あくまで予定)が貼られていました。
会津喜多方ラーメン館
ハンドルを「くるくる」すると麺が出てきて興味津々。
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この麵は、中央辺りに映っている袋に入れてお土産にしてもらえます。
機関車ビフォーアフター
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車輪の描写が全く変わりました。
よく観察した後だと情報が整理されてスッキリと堂々とした絵になる、ということがよく分かりました。
旅の終点、会津若松駅。
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幸い、咲花温泉でも会津若松駅でも機関車の蒸気モクモクシーンと、独特な車輪を見ることができ、子どもも大喜びで、記憶に残るいい旅行でした。