「石岡瑛子Iデザイン」展
茨城県近代美術館で開催中の「石岡瑛子I(アイ)デザイン」展を観てきました。
3年くらい前に銀座のgggで観て以来。
何かと茨城県近代美術館さんとは趣味が合わなかったのですが、初めて
また「観たい」と思っていた展示があってよかった…。
さて、この日は息子が免許更新のために前日深夜帰省してきたのですが…
「若干体調悪い
&寝不足
&帰省した時にしか運転をしていない
&下道で2時間近くかかるところへ行く」
ということで親バカの私は「息子に事故を起こされたら大変だ」ということで、行きは私が運転していく事にしたのです。
石岡瑛子さんの展示を観られるのも好都合。
で、息子を免許センターで降ろし、いそいそと美術館へ行き、
「たっぷり観られるぞ」と思ったのですが2時間半では足りませんでした…。
まず、石岡瑛子さんのポートレイトがお出迎え。
3年前にgggで観た時は、息子の大学受験の付き添いで(ええ…心配なんですよ…受験生を疲れさせたくないので勉強以外の何も気を遣う必要がないように会場までエスコートです)ホテルチェックアウト後から試験終了時刻まで時間を潰さねばならないという事で、
当時、かなりじっくりたっぷり観たので今回予習充分でしたが、初めて観るとなると、情報を吸収しきれないかもしれません。
今回の展示は広い空間を生かしたポスターの展示が良かったと思います。
広さに負けないポスターの力を実感できます。
そしてポスターに添えられている石岡瑛子さんの言葉がまた良いのです。
「また観たい」というより、
私は「瑛子さんの言葉をもう一度読みたい」
と思っていたのだと思います。
もっと、たくさんの言葉がありましたがこの辺で。
もう「ほれ惚れ」する言葉がたくさんです。
瑛子節炸裂。
これを読んで、ジー――っと体に広がるのを感じてから次のポスターとか版下とかを観に移るので時間が要ります。
妥協無し。
自分のデザインに徹底して拘り、しっかり伝える。
そして、そんな瑛子さんですがブックデザイナーの一面もあり、
なんと「理科」の教科書のデザインも手掛けていたんです。
もし、この教科書を使っていらっしゃった方がいたら、なんて贅沢なんだと思います。
万博のポスター。
万博というと「岡本太郎&太陽の塔」しか思い浮かばない私です。
これは瑛子さんのポスターだったんですね。。。
遠くから一瞥すると「日の丸」。
で、じーっと見ていると円の中に同心円上にある線がたくさん描かれています。
本当の意図は分かりませんが、2種類あるので緯度と経度を表したのか??
ということは、この赤い円は日の丸=日本であり地球全体を表現している。
さらによくに見ると、上の右寄りに日本国旗らしきもの。
さらにさらによく見ると、日本国旗が桜の花弁のようなものに囲まれている。
私は知らなかったのですが(いや、よく見てなくて知らなかっただけ…)、よく見れば万博のマークだったんですね。
出来上がったものを見れば
「ああ、そうだね」としか思わないかもしれませんが、このとてもシンプルな色と形の中に、地球の中の日本で開催、というメッセージがてんこ盛りされていることが凄いなと思うのです。
さらにこれ↓。
「このポスターは、何のポスターかなあ…」と思ったら、軽井沢で定期的に開催されている現代音楽のコンサートのポスター。
どうやら、理屈っぽいよく分からん現代音楽に辟易する雰囲気があったようで…。反感を買うかもしれないけど一石投じたい!みたいな。
そして、なぜかお尻。
どうして、ここに行きついたかは分からないのですけど…
高尚なものに対するアンチテーゼ?
勝手な解釈は「音符のイメージかな?」と。
もっとよく注釈を読めば答えがあったかもしれません…。
スタッフ総出で、本屋でこのまん丸の理想のお尻の写真を探したそうです。
そしてその後も瑛子さんの作品にはお尻がよく登場するそうです。
資料がふんだんに使われているとても良い展示だと思います。
期間は7月7日まで。