子供の頃、今の自分になりたいと思ってた?という問いが一番響いた1本。
Netflixに知らないタイトルを見つけた。
「この映画知らないなあ。何系?どんな感じ?」
そんな気持ちで再生ボタンを押した。
酔っ払った森山未來と知らないおじさんが、ゴミ置き場に突っ込むところから話は始まった。
2分ほどやりとりを見つめ「どうしようかな、このまま見続けるか止めようか…」と思った瞬間、画面にこんな文字が映し出された。
奇しくも、その1週間前に46歳になったばかりの私には刺さりすぎる1行だった。
ので、そのまま見ることにした。
Facebookの”知り合いかも”に出てきた昔の恋人…。
40歳を過ぎ夢も希望も消え失せて、漠然と生きているだけのボクの心に、輝いていた90年代の思い出がよみがえる。
ストーリーは46歳の主人公、佐藤誠(森山未來)の思い出を振り返るように、現代から少しずつ過去へ遡っていく。
何しろ同い年なので、時代背景がめちゃくちゃ分かる。
ああこの頃のパソコンってそんな感じだったわよね。とか、ノストラダムスとかポケベルとか文通とかオザケンとかさ。
地方民なので、東京の景色には懐かしさは感じなかったけど、ファッションにはちょっと懐かしさを感じた。
中でも、元カノのかおり(伊藤沙莉ちゃん)の髪型と服装が、大学時代の同級生にそっくりで「あの子、今どうしてるのかしら。元気にしてるかしら」なんて思ったりした。
あと、東出くんの服装がめちゃくちゃ当時のメンズっぽくて「あーいたいた!こういう男子!」って感じで萌えた。
結局ずっと佐藤誠目線で2020年から1995年までを振り返って、色々と思い巡らす的な話だったので、終わった瞬間は正直「はあ…そうですか」という感想になってしまった。
もっと気持ちが寄り添えればエモかったのかもしれないけど、私はそこまで寄り添えず、人の半生を延々と見続ける感じだったので「佐藤くん、君の人生はそんな感じだったんだね」で終わってしまった。
まとめると「あの時も、あの場所も、あの人も、すべてがいまの自分に繋がっている」という映画のキャッチコピーが全てだなと思う。
佐藤くんの25年には、いろんな人との出会いと別れがあってさ。
それはもちろん、佐藤くんだけじゃなくて、この世に生きてる人、みんな同じでさ。
成功した人も、落ちぶれた人も、普通に生きてる人も、どこか消えた人も、愛した人も、相変わらずの人も、他にも数えきれないほどの人がいてさ。
たくさんの出会いと別れを繰り返しながら、みんな自分の人生を歩んできて、それが全ていまの自分に繋がってるんだよねって。
まあ、そりゃそうだよね。
最後に、劇中で放たれた「子供の頃、今の自分になりたいと思ってた?」というセリフへの答え。
私はいま、イエスと答えられる気はしない。
もうちょいまともで「普通」な大人になってると思ってたよ。
まあ、楽しんではいるけど、もう一度歩むなら違う人生歩むかな。
さて、あなたはどうですか。
追伸:一番の驚きは、森山未來くんが46歳にも20代にも見えたってことよ。すごい人だわ。