好きな洋菓子
「好きな洋菓子は?」と聞かれたら、間違いなくサバランと答えるだろう。洋菓子を10回買えば、私はサバランを7回選ぶ。
それはたぶん子どもの頃に食べたことがないからだろう。
私にとってはサバランとの出会いは衝撃だった。子どもの頃にケーキといえばショートケーキだったし、いまほどは美味しくなかった。というか美味しいショートケーキを食べたことがなかった。だから、ああ、これは美味しいなと思うショートケーキを食べたとき、洋菓子ってこんなに美味しいんだと思ったものだ。
そしてその感激を上書きしてくれたのがサバランだった。サバランの前にはティラミスがその地位を占めていた。いまやサバランが私にとって不動だ。
別に「この店の・・・」というのがあるわけではない。サバランなら大体オッケーだ。
そんな話をしていたら、「サバラン? 知らないです」と言われた。ショックだった。「シベリアなら知ってます。好きですよ」とのことだった。
私はシベリアを知らなかった。まさか、世の中にはサバランを越えるものがあるのか?
ドロシーに尋ねると、「好きだよ。子どもの頃、よく食べたし、お母さんも好きだよ。最近は近所のヤオコーでも売ってるし。でも、お母さんは安いのは美味しくないっていって高いのじゃないと食べないかな」という。最初にシベリアのことを言った人も「ジブリのアニメにも出てた」と言っていた。
「え、ジブリ? どれ?」
「風立ちぬ」
「風立ちぬ?」
昭和というよりはほとんど大正じゃないか。登戸のあたりを汽車が走っていなかったか?
「ほら、子どもが食べたそうにしてて、あげたやつ」
「???」
あのシーン、カステラか、どら焼きだと思っていた。
今は便利だ。検索するとすぐに出てくる。「??? どら焼き?」
ドロシー曰く、「三角形のね」。
こっちかぁ。
うーん、これは洋菓子なのだろうか。やっぱり私はサバランに一票。でも、久しぶりに甘食が食べたくなった。甘食は洋菓子か? かなり微妙だ。
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