見出し画像

ピクチャー・エフェクト

ドロシーは玄関に段ボールを敷いている。玄関の床材は滑らないようにと多孔質の石材を使っている。そのため汚れが溜まりやすい。彼女はそれが泥で汚れた感じになるのが嫌なのだ。汚れを落とす掃除が大変だし面倒だという。私は「何も段ボールを敷かなくても」と思うが、ドロシーはそういうことは気にしない。ときどきすごく合理的だ。

最近は何かあってももっぱらスマホで写真を撮っている。デジカメは引き出しの中に放置されている。

それも何だかなと思い、久しぶりにデジカメを出した。家にあるデジカメはピクチャー・エフェクトが設定できる。トイカメラという設定もあって、写真はちょっと昔風になる。ドロシーが段ボールを敷き詰めた玄関もこの設定で撮ってみるとちょっと面白い感じになる。彼女の普段履きの靴を写していることは内緒。

ポスタリゼーションという設定にすると私の散らかった机はさらに危ない感じになる。赤系だけを抽出して他をモノクロにすることもできる。

モノクロにしたり、トイカメラにすると、チェストの上の置物も、部屋にあるピアノもリビングへの扉もちょっとノスタルジックな感じだ。置物のピントがあっていないがそれも味だとしよう。思い込みは大切。

いろいろ試してみると、なんだか日記のお供にもいいかもしれないと思えてきて、カメラを持って散歩に行きたい気持ちが湧いてきた。それはそれで良いことかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!