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モディリアーニ展
2008年、結婚記念日という口実で、開館してからまだ1年ほどしか経っていない国立新美術館に、ドロシーと二人でモディリアーニ展を見に行った。「なんかレストランがあるらしいよ」と飯で釣ったといってもいい。
モディリアーニは結構好きだ。中学生の頃、部屋に「黒いネクタイの女」を自分で飾っていた。いまもそうだが、本質的に暗い子だったんだと思う。
1992年の池袋の東武美術館でのモディリアーニ展は一人で行った。飯で釣らないとドロシーは絵の前を「風とともに駆け抜けていく」ような人だからだ。「あ、絵って面白いんだ。」とはじめて思ったのは、この池袋での展覧会だった。
モディリアーニの絵は、目がちょっと独特だったりするが、中学生のときはその意味というか感じがよくわかっていなかった。池袋のときは絵の前に立ったとき、目がとても丁寧に考えられて描かれていることがわかって、それはまるで絵を通して著者と対話をしているような気分にさせてくれた。
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もちろん、「夫人像(C.D婦人)」のような、少し悲しい感じも好きだ。
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2008年の国立新美術館のときは「カリアティッド」との関連性が強調されていたようにも思えて、それも面白かった。マティスのきり絵もそうなのだけれど、こういう単純化されたものが私も好きなのかもしれない。
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ドロシーは、お土産ショップでマグネットを2個、絵葉書を2枚買った。モディリアーニ展を観た後、東京ミッドタウンで、昼に国立新美術館のレストランで食べたバターを買い、富士フィルムフォトサロンで林忠彦写真展「カストリ時代」を見て、帰宅した。
2024年の今年が35年目の結婚記念日だったから、2008年は19年目だったことになる。もうすっかり前のことだ。