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理想と現実のスイートポテト

人生とはままならないものだ。ある程度の年齢になるとそう感じる。そう感じるのが遅すぎるともいえる。

引っ越してしばらくして、キッチンのレンジについているグリルがかなり出来る奴だということに気づいた。これまでは、グリルは魚を焼くぐらいしか使っていなかったけれど、新しいグリルはオーブン機能も結構よくて、レンジに作り付けのグリルなので、野菜やいろいろなものがいい感じで焼ける。

最近のマイフェイバリットは焼き芋だ。"べにはるか"とかではなくてちょっと安めのお徳用なサツマイモでもいい感じで焼き芋になる。

今日は調子に乗って少し多めに焼いてしまったので、余った分をスイートポテトにすることにした。インターネットで、"スイートポテト レシピ"で検索する。

シェフ直伝だよ。裏ごし不要だよ。写真だけ取り出すとこんなできあがり。これはもう作るしかないでしょう。

上記の写真は私の中で爆発的に膨らんだ出来上がりイメージだ。

<材料>(6~8個分)
さつまいも…1本(350~400g) ※「紅はるか」がおすすめ
有塩バター…25g
牛乳…大さじ1
生クリーム…大さじ1 ※乳脂肪分35%のものがおすすめ。牛乳でも代用可
卵黄…1個分 
仕上げ用の卵黄…1個分

ふむふむ、さつまいも1本ね。焼き芋として余ったさつまいもが2本あるから、材料は2倍と。紅はるかがおすすめとあるけれど、そこはまぁ妥協しよう。10本300円だから、砂糖不要とあるけれど、少し砂糖を入れればいいし。

すでにこの段階で地雷を踏んでいた。10本300円のさつまいもは細い。細いから火の通りもよくて、安いさつまいもでも結構な出来の焼き芋になったのだが、2本で90 gだった。測ったからね。しかし、メニューに書いてあった1本(350~400 g)という記述は見落としていた。だから、予定どおり、バター、牛乳、生クリームを2倍入れた。

そしてレシピ通りに作業を進めている途中で気づいた。なんか思ったより全体の分量が少ない。しかもレシピよりもかなり緩い感じ。そこで初めて、さつまいもの分量が1/4程度なのにその他のものを2倍投入したことに気づく。

特にバターが多い感じ。加えて牛乳と生クリームも2倍入っているので、弱火加熱で水分を飛ばす時間が長くなる。

弱火で水分を飛ばす時間が長くなると材料がすこーし色づく。黄色というよりはもう少し濃いめに。ちょっと茶色っぽく。

「まぁ、水分も飛んだし、こんなものだろう」とスイートポテトの形状に加工・・・できない。なんというか量が少ないのにすごく油っぽい。べっちゃり・もったりしているのだ。加えて色が濃い。茶色い。

つまり、「なんか○んこっぽい」

ドロシーにどう思うと訊ねると「うん、確かに○んこっぽい」とのお言葉。うーん。

でもまぁね、バターと生クリーム多めの高級スイートポテトだと思えば、材料に不満はない。見た目がちょっと○んこっぽいからなんだ。

表面に卵黄を塗る。刷毛がなかったので指で塗る。分量が少なかったので多めに塗る。黄色が少し強調されて、○んこっぽさも少し減る。よしよし。

再度グリルに投入。200℃で10分余熱したところに、ケーキシートなんかを敷いちゃって投入。なんといっても「シェフ直伝」なのだ。そこが大切なのだ。焼き時間はメニュー通りに200℃で10分。形状は分量の関係でお団子っぽい感じだけれど気にしてはいけない。

焼きに入って10分経過。出来た!

頭の中でチーンと音がした。キッチンタイマーの音ではなく、ご愁傷様の。なんか違うというレベルのかなり下を行ってしまっている。うーん。あえてポジティブ思考で言えば、幸いにも○んこっぽさは減ったか。

ドロシー試食。「味は美味しい」。まぁねぇ~。

そしてこれが現実。ちなみに目標とした理想イメージを改めて眺める。ふたたび頭のなかでチーンという音が聞こえた。

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