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海面上昇シュミレーター

埼玉県坂戸市に引越して思うのは、このあたりはずいぶんと平らだなということだ。埼玉県は西に行けば奥武蔵の山々が連なる場所に突きあたるが、まぁ、総じて平らな印象だ。

坂戸市で一番標高が低い場所は13.1 mで。もっとも標高が高い場所が87.5mで、その差は75 mほどあるが、それでも平均すると 31 mほどだから、正直にいえば「えっ、そんなもの?」という印象だ。

その前に住んでいた東京都稲城市だと標高は平均で80 m(34 m ~ 125 m)だから、ずっと山々している。まぁ、それは小高い野山を切り開いて作った多摩ニュータウンの端っこだから、さもありなんということなのだけど、それでも東京都心からの距離を考えると、坂戸市の標高は低すぎる。

子どもの頃に『日本沈没』によって「いつか日本は沈むかもしれない」というトラウマに捉われていて、JAXAの海面上昇シミュレーターはついつい見てしまう。

坂戸市のなんちゃって海抜平均 31 mでみてみると、うーん、関東も名古屋もかなり浸食されて沈んでいる。

ズームして、最寄り駅の東武東上線 北坂戸を海面30 mでみると、現在の江ノ島駅ぐらいに海が近い。これだと、満潮時に高潮・台風が重なり 1.5 mぐらい水位が上がると、北坂戸駅あたりも水没する。くわばらくわばら。

まぁ、もっともJAXAのシミュレーターのページをみると縄文時代はいまより18 mほど海面が高く、関東平野も「平野?」という形になるから、なるときはなるということで、心配してもしょうがないのかも。

縄文海進の様子(関東地方)
関東地方においては海面を18mほど上昇させると、現在よりも温暖であった約6000年前の縄文時代の海岸線に似た状態を模擬できます。当時の貝塚の位置と比較してみると、貝塚がこの海岸線沿いに分布していることを確かめられます。

まぁ、いまのところ、気象庁は温暖化最悪シナリオでも海面上昇は1 m程度と言っているようだから、私の「日本沈没?」という妄想は杞憂かもしれないし、少なくとも、私が生きているあいだは坂戸市が水没することはないのだろう。そして私が本当に心配すべきことは私自身の血圧の上昇だったりする。

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/hozen/dai02kai/pdf/doc2.pdf

かくして、問題は矮小化され、私にできることはないという気持ちになり、多くのことは他人事になる。

それは生きていくうえで多くの場合は安心へとつながる《正常性バイアス》あるいは《楽観バイアス》につながり、心は平安にいたる。「それでいいの?」という心の声と「それでいいのだ」という心の声が聴こえる。

まぁ、でもきっと、予想とはまったく違う、もっとびっくりするような状況(たとえば埼玉砂漠化とか)になって、いつの日かドロシーと「まさか、こんな風になるとは思わなかったね」と話す日が来るのかもしれない。

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