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社会福祉協議会と自治会との不可解な関係

 私は日本の「失われた25年」を取り戻し上昇気流に乗せるためには、「地方の自律化・活性化」が最強の処方箋であると考えています。
 ところが、一言で「地方の自律化・活性化」と言っても、多くの人が賛同できても具体的な実施となると雲をつかむような状況でほとんど何も具体的な方策が出てこないというのが実態です。
 たとえば、多くの人が勘違いしているのいが「観光」です。
 「観光」では、真の意味での「地方の自律化・活性化」は実現できません。
 重要なことは、一言で言えば「人口減に歯止めをかけ真の人口増を目指す」処方箋です。

 さて、私は昨年一年間、自治会の役員として、自治会の内情を見てきました。
 まず最初に驚いたのは前年度の決算です。お金の流れが極めて不自然で、なおかつ不透明でした。
 本来自治会は住民全員が困っていることを助け合いながら、行政府に助けてもらいながら運営するのが目的ですが、実態は一部の人が行政府と癒着して貴重なお金をせしめ、弱い立場の住民は文句も言えず自治会費のみ徴収され孤立していました。
 もともと私は約20年間工場の経営に携わってきましたので、一応財務資料を見抜く力は一般の人以上だと思っています。
 これらの実態につきましては、以前の記事「自治会は地方開拓・地方移住の癌!」と「自治体活動の実態を暴露!」で明らかにしましたが、今回の記事では、「社会福祉協議会と自治会との不可解な関係」について明らかにしたいと考えます。

 自治会の活動は、「社会福祉協議会」(以下、社協)の活動と深く関わりを持っています。
 本来国民の福祉に関することは行政府が責任をもって行うべきですが、戦後の復興期で手が回らなかったのか、政府は1951年に「社会福祉法」を制定し、非営利の民間組織「社会福祉協議会」を設立させ直轄的な管理を避けてしまいました。
 現在の社協は、全国→都道府県→市町村とピラミッド組織になっており、融通の利かない状態になっています。
 市町村の社協の事業は「社会福祉法第百九条」に規定されていますが、簡単に言えば社会福祉に関することはすべて関わることになっています。
 社協の事業は、社会福祉、保健・医療、教育、労働等の行政機関や民間団体と連携し、行政と住民組織との協働による活動を行うことです。
 つまり、国民の生活全てに関わっているように見えますが、実際に恩恵を受けているのは養老保険関係とか障害者支援で、その他はあまり役に立っていません。
 私の考えでは、社協は実際に年齢とか障害とか貧窮とかで真に困っている人にサービスするだけで十分です。
 自治会と社協との関係を見る限りやらなくてもいいことばかりで、我々の税金や募金を無駄に使ってほしくないというのが本音です。

社協運営の財源

さて、社協運営の財源は主に以下の通りです。
 (1)県・町・県社会福祉協議会からの補助金・委託金
 (2)社会福祉協議会会員からの会費
 (3)共同募金・歳末たすけあい募金からの配分金
 (4)住民・企業などからの寄付金
 もちろんこれらの資金は回りまわって我々の税金から来ているわけですが、私が特に注目しているのは、共同募金、福祉会費、歳末助け合い費の三種類の、自治会つまり住民が反強制的に徴収されている費用です。
 例えば、私の自治会では、下記費用を社協に徴収されています。
 ①共同募金   60000円
 ②福祉会費   60000円
 ③年末助け合い 18000円
 世帯数が127世帯ですから、1世帯約1100円です。
 金額そのものは大きくありませんが、国民は税金にプラスしてこのような無駄金をいろいろと払わされています。
 本当に困っている国民に100%が使われているのであれば文句はありませんが、実態は無駄ばかりです。
 社会福祉法の第百十六条には「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない。」と規定されていますし、福祉会費や歳末助け合い募金については何の規定もありません。

自治会の支出

一方自治会では毎年以下の費用を支出しています。
 ①上記社協からの徴収 138000
、②老人会さくらクラブ    153000
 ③いきいき広場    230000
 ④子供会          107000
となっています。
 老人会さくらクラブに参加している人は、元気のいい老人で約20人です。ちなみに65歳以上の老人の約10%です。
 また、「いきいき広場」は、町が主催する介護予防事業の一環で、自治会に23万円の補助金を出して運営を委託いています。参加者は老人会の約20人で、さくらクラブといきいき広場の両方で集会所に集まり遊んでいます。町の規定では食事は自費と言うことになっていますが、実際には補助金の23万円の中から出しています。
 「子供会」は別運営ですが、自治会が善意で10.7万円出しています。
 余談になりますが、自治会の集会所を使用しているのは、ほとんど上記「元気な老人」20人で、電気やガス等の集会所経費はほとんどが「元気な老人」が使っています。
私なりに計算してみますと、「元気な老人」1人あたり、年33000円を我々の税金や自治会費などをネコババしています。
残り90%の老人は何の恩恵も受けず文句も言わず無関心を装っています。
歪んだ社会です!

まとめ

 以上、「社会福祉協議会と自治会との不可解な関係」について具体的な例をあげながら述べてきましたが、地方の自律化や活性化の視点から考えれば、最近の役場と社協の福祉への取組みは有害以外の何物でもありません。
 しかし、すでに習慣になっている悪しき実態を真正面から改善することは、いわゆる既得権益と戦うことになり勝ち目はありません。
 したがって、我々善良な国民は、介護や障害等で本当に困っている場合は規則に従った保護を淡々と受け、それ以外は距離を置くという姿勢を貫くのが最善の対応策です。
 共同募金や福祉会費や歳末助け合い等の募金には参加せず、もし他人を助けたいなら直接的な募金に参加するのがベストです。
 私の場合は今年から自治会を脱会し悪しき関係を断ちました!
 役場や社協の要求に乗ってしまうことは国家全体の弱体化を後押しするに等しい行為だと考えます。
 地方の自律化や活性化を進め、多くの国民が地方に移住できるような環境を醸成しましょう!

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