藻谷浩介氏登壇セミナー 実施報告!デフレ大国ニッポンを襲う「インフレの波」 ~中小企業は「安くてウマい」からどう脱出するのか~
こんにちは!
岡崎市が運営する完全無料のビジネス相談所、オカビズです!
あの「里山資本主義」「デフレの正体」の著者、藻谷浩介氏をお迎えしたセミナーは、たくさんの方に参加していただき盛り上がりました!
藻谷氏と20年来の知り合いでもあるオカビズチーフコーディネーターの秋元がナビゲートし、「広い視点」から、地域の中小事業者が「明日から」どのように取り組んでいけばいいのか、事業者目線で掘り下げていきましたよ。
正しく値上げをするために必要なこと
今は円安、さらにインフレで原料高、雇用者の賃金も上げる必要がある。
でも価格は据え置かないと売上が下がってしまうから…と現状維持を続ける、苦しい経営者の方も多いのでは。
しかし、やり方さえ間違えなければ、正しい値上げをしていていくことができる、していくべきだと、藻谷さんはおっしゃいます。お話のポイントは2つ。1)経済の状況や情報を正しく理解すること。その上で、2)とれるところからはしっかりいただくこと。
1) 経済の状況や情報を正しく理解すること
初めに、藻谷さんから日本経済に関する情報についていくつかクイズが出されました。「日本経済のピーク、名目GDPが一番高くなった年はいつ?」
バブルピークの1990年なのか、民主党政権の2012なのか、
安倍政権最後の2019年なのか、物価が上がった2022年なのか。
正解は、ドル換算なら圧倒的に2012年。円では2019年。
では「バブル最盛期の1990年と2022年を比べると日本の輸出額(兆円)は?」1)半減以下 2)同水準 3)倍増以上
正解は3)で、日本の輸出は、なんとバブル期の2.5倍!
暗いニュースが多い印象ですがそうばかりではありません。見る角度で見え方が変わってくることもあります。「印象」ではなく、情報を正しく認識し、広い視点で、現在の状況を自分自身でしっかり捉えることの大切さを学びました。
2) とれるところからは、しっかりいただくこと
大事なことは、誰を相手に商売するのか、利益や経済効果が出る相手を絞り込むこと!とにかく客数が増えればいいと、価格だけが目当ての安物買いの相手に尽くしても利益は乏しいからです。そして、上客をつかむことに注力することが値下げ競争を脱するためには必須なんです。上客の基準は、高マージン(高単価ないし低コスト)、高リピート率、良い情報源。利益につながらない低単価大量販売路線は、どこかで見直さなければなりません!
大事なのは「客にとって私は何?」という視点
狙った相手にしてみれば、自社は「たくさんある選択肢の中の一つ」。
自社に何の思い入れもない人の立場に立って考えてみなければなりません。
どういう相手がなぜ、敢えて当社を選ぶのか、明確につかんで売り出す!
当社を選ぶことが相手にとって最も有利で必然という状況を作り出す。儲かる会社は「使う言い訳」が立つ会社、あなたを使う理由は「価格以外の理由」である必要があります。皆さんは、どうしてお客様があなたの店、商品やサービスを選んでいるか、その理由をきいたことがありますか?
「値上げは『悪』とされてきたことが『社会悪』」と訴える藻谷さん。
デフレの正体を正しく認識し、私たち一人ひとりの意識を変え、価格以外で「使う言い訳」が立つ会社へ。客の言い訳を問い、考え続けて、進化し続けていくと、段々上客が増えていきますと結んでくれました。
まず、できるところから始めてみませんか。
登壇者のご紹介
藻谷 浩介(もたに こうすけ)氏
株式会社 日本総合研究所 主席研究員山口県生まれの 59歳。平成合併前の全 3,200 市町村、海外 121ヶ国を自費で訪問し、地域特性を多面的に把握。地域振興、人口成熟問題、観光振興、コロナ対応などに関し研究・著作・講演を行う。2012 年より現職。著書にデフレの正体、里山資本主義 (共にKADOKAWA)、世界まちかど地政学Next (文芸春秋)など。近著に日本の進む道~成長とは何だったのか(毎日新聞出版、養老猛司との対談)。
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