逆塾第5回 世界6カ国で受けてきた「逆」の教育と私のクラスの座席と固有名詞と

対面での逆塾は2回目だったけど、オンラインから通算するともう5回目。早い。
今回は、クリエーティブディレクターであり絵本作家でもあるキリーロバ・ナージャさんから 世界6カ国で受けてきた「逆」の教育 をご講義いただきました。

ナージャさんの絵本はどれも拝読しましたが、教育関係であれば特に『ナージャの5つのがっこう』がおすすめです。
今回の講義でもこの絵本に載っていることも含めてさらに詳しくかつユーモアたっぷりに。
落語や漫談と評されていましたが、笑いつつも学びになるお話でした。
きっと次ナージャさんがお話するときは出囃子もついてくると思います。

さて、これまでのナージャさんのお話の中で私が刺激を受けた一つが、座席について。
日本はみんなが前を向いて均等に座っているけれど、アメリカやイギリス、フランスはそれぞれ違うんです。
https://dentsu-ho.com/articles/3465
この話を最初に聞いたときに、「座席って変えていいんだな」と思って、自分が担任をしていたクラスの座席配置をちょっと変えました。
とは言っても、他の先生の授業もクラスであるから、アメリカとかイギリスとかのようではなく、あくまで日本の前向きスタイルでしたが。
一般的な日本スタイルは縦6個×横6個のように一人ひとり離れて机椅子が置いてある感じですが(高校の場合)、それを教卓から見て左から2・4・2でくっつけた配置にしました(それを4列、30人学級だったので)。大学の講義室の小さい版のような感じです。
これにしたのは、例えば部活動で顧問の先生が何か話をするときに「集合」と言ったら整列ではなく扇形に集まりますよね?人の話を聞くのは整列しているよりも話す人を中心として集まっている方が聞きやすいんじゃないかと思ったので、教室でもそうしようと。結果扇形スタイルになりました。
今はディスタンスもとめられているので教室でのこの配置は難しいですね。

でもこれをやっているときは結構効果があったんです。
まず、生徒が寝なくなりました(笑)。隣が近いから喋れるし、寝るとまわりから「こいつ寝てる」と思われるプレッシャーが強くなるようです。
そんなこともあって、成績も若干良くなりました。
あと、出席率が上がります。コロナ前の話ですが、休みが減ったんですよね。そのおかげで皆勤率も高くなりました。
そしてペアワークやグループワークのような話し合う授業がやりやすくなりました。上述したように物理的に近いのもあって近隣の座席で普段からコミュニケーションをとるようになったように思えます。荷物を置くときとか通るときと些細なことだけど、それが大きかったのかなと。

もう一つ、ナージャさんのお話からずっと疑問に思っていることを。
ナージャさんのお話の中では「カエサル事件」として出てきたことに関連して。
ちなみに、講義後の懇親会のなかで、〇〇事件ってつけると話が聞きたくなるよねっていう話題が出ました。事件って、気になりますね。(私が社会人になって一番の事件は、三島は静岡事件です)
で、カエサル事件に関連したことの疑問というのが、なぜ固有名詞なのに国によって呼び方が変わるのか問題です。
歴史上の人物だから、文字でしか記録が残っていないから読み方がわからないのはわかります。でも、固有名詞なんだから呼び方は1つで良くないですか?国によってない発音があるのもわかります。でもそれに近いような言い方をすればいいと思うんですよ。なのになぜ全然違うようになっちゃうのか。
さらに、この問題は、歴史上のもののみならず、現代の人の名前も変わっちゃうところあるじゃないですか。なぜですか?固有名詞ってそのもの1つ(1人)しかないのではなかったでしたっけ?これが疑問なんです。ずっと。

カエサル事件の私の疑問は話がそれましたが、ナージャさんのお話を聞くと、どの国にもそれぞれ目的があってその目的に合わせたやり方をしているだけだんだなとわかる。その目的が国によって違うからやり方が変わってくる。
だから、まずは何を目的にするのか、それを教員側が設定できているかかなというところ。やり方だけ真似てもしょうがない。だって目的が違うから。
それと、それぞれの目的を受け入れる。逆のことは間違いじゃない、違いだということを。

次回は宿題が出ています。今までにない宿題だからやるのも楽しみだけど、皆さんの宿題を見られるのがもっと楽しみ。

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