デザイン超初心者の方へ。伝わるチラシの作り方
こんにちは。
デザイナーのまさよ です。
名古屋でグラフィックデザインの仕事をしています。
本日のnoteは
ノンデザイナーの方、デザイン超初心者の方がチラシを作るときにまず考えることとその方法について。
ここ10〜15年ほどの間で、グラフィックソフトが無料で使えるようになったり、見栄えの良いデザインのテンプレートがあったり、少ない枚数から割安で印刷を業者に頼みやすくなったり、と、“デザイナーでない方が自分でチラシをつくる機会”が増えてきたように思います。
見た目にも、デザイナー顔負けなチラシを作る方もいる一方で、
お知らせしたい事がちゃんと伝わっているのかな?
とても迷いながら苦労して作ったのだろうなぁと思うチラシを見かける事しばしば。
そんなノンデザイナーの方が、パソコンに座ってチラシを作り始める前後にちょっと考えてほしいポイントをお伝えします。
目次
1.チラシは案外見てもらえない。
2.チラシの目的をきめる。
3.情報の整理をする。
4.見た目の印象を考える。
5.まずラフを描いてみる
6.パソコンに向かってみましょう。
1.チラシは案外読んでもらえない。
コレを言うと意外とおどろかれます。
でも、チラシは本当に読んで貰えないモノなのです。
あなたはいつもチラシを隅々まで読みますか?
ご自宅にポステイングされているチラシを想像してください。チラッと見て、読まずにゴミ箱に入れた経験があるのではないでしょうか。
もちろん、興味があるものならちょっと内容を見てみますよね。
興味が「ある」か「なし」を判断するのはチラッとみる行為。
手に取ってから約1秒程度。
その一瞬で、それが何のチラシなのかが「パッと見た」状態でわかる必要があります。
とりあえずこれを知っておいて下さい。
これ、伝えたい人にちゃんと伝える為の重要なポイントなんです。
2.チラシの目的をきめる
まず、チラシの目的を決めましょう。
チラシの目的とは、誰にどんな行動を起こしてほしいかという事です。
「誰に」というのは勿論、チラシに興味を持つ人。商品やサービスを必要としているターゲットです。まずはターゲットを設定しましょう。
「どんな行動を起こしてほしいのか」というのは、
・店を知ってもらう
・商品を知ってもらう
・商品買ってもらう
・問い合わせをもらう
・ホームページへアクセスしてもらう
・インスタでフォローしてもらう
などの事です。
ここは1つメインになるものを決めてください。
決め切れない場合はサブがあってもよいのですが、あくまでメインは1つです。
目的地を1つに決めないと、チラシを作っている最中に迷子になったり、作った後に見返すと何がしたかったんだっけ?となりやすいです。
3.情報の整理をする
つぎは、チラシの中で伝えたい内容について。
「伝えたい事はたくさんあるんだよ〜!」
そう言って文字が多いチラシになる…というのは、ノンデザイナーのみなさんが一番陥りやすい点です。
紙面には限度がありますし、1でも言った通り、パッと見で何がわからないもの読んでは貰えません。
まずは「伝えるべき事」を考えましょう。
それは、チラシを出す側が「伝えたい事」とは少し違います。
「伝えるべき事」とは、
ターゲットが知りたいことです。
それは、何を提供してもらえて、ターゲットにどんなメリットがあるのか
という事です。
ターゲットにどんなメリットがあるかという部分は、より具体的な情報があると良いですね。
後はお問い合わせ先や所在地、プロフィールなど、誰が発信しているのかがわかる信用情報となるものも忘れずに。
そして、今回の目的地へ向かう為に不要な情報は潔く削ってください。
情報を削るという行為には、必要な情報を目立たせ、より伝えやすくする、という効果があります。
そこまで考えたら、
情報の優先順位を決めます。
伝えたい順番に番号をふります。
そして、その順番を振った情報を、
・一番声を大きくし伝えてること
・中ぐらいの声でいいこと。
・小声でいい事。
大・中・小、3つぐらいに分けましょう。
これはどんな情報を大きな声で言えば、
ターゲットが興味を持ってくれるのか、
2で設定した目的地に到達できるのかを考えて情報を整理する作業です。
基本的には一番伝えたい情報が順番の初めに来ることが多いです。
ここでの大・中・小が後ほど文字の大きさ・スペースの差になり、それが紙面でのメリハリになります。
4.見た目の印象を考える
ここでの見た目というのは、「パッと見たときの印象」という事です。
1でもお話した通り、1秒ほどで「何屋さん」なのか知ってもらう、または、興味を引いてチラシをみてもらう必要があります。
目を引く為の方法は3つ。
**・写真やイラストを使う
・キャッチコピーを使う
・色を使う
**
・写真やイラストを使う
おススメは写真です。
写真は文字にすると何万という情報が入っています。それを一瞬で伝える力が写真にはあります。
大切なのは、必ず目的にあった写真を選ぶこと。
商品が明確にわかり、より良くみえる写真。
子ども向けのサービスであれば、子どもの楽しそうなイメージ写真などでも良いかもしれません。
印象に残る写真は沢山用意する必要はありません。
お見合い写真を選ぶように、とっておきのものを用意してくだい。
目的に合った一枚はなにより強いものになります。
・キャッチコピーを使う
これは、3で考えた「一番声を大きくして言いたいこと」または、「提供できるものに興味を持ってもらう為にフックとなる言葉」です。
キャッチコピーの内容はそれぞれ違うと思いますが、この「見た目を整える」の項目で全てに言える事は文字数について。
人が一瞬で認識できる文字数には限度があります。
映画の字幕には1秒に4文字までというルールがあるそうです。
またYahoo!の見出しも13文字迄(半角あわせると、13.5文字)だそう。
これも、一瞬で読ませてクリックさせることを目的とした文字数なのでしょう。
では、チラシのキャッチコピーは?
チラシに文字数制限があるわけではありませんが、上記の事から13文字程度が良いかと考えます。20文字のキャッチコピーは少し長い気がします。
考えたキャッチコピーが1秒ほどで読めるか、ご自身で試してみるのもよいでしょう。
とにかく、長いコピーはアタマに入らない。
それを意識してキャッチコピーはできるだけ短くなるようにしてください。
・色を使う
人が色を見たときに感じる共通のイメージがあります。
例えば赤。
赤は信号や消防車に使われている色ですね。
赤は注意を引く色です。
また、情熱や熱意のイメージ。怒りのイメージ。
クリスマスのイメージもあるでしょう。
青は空や海、水の色。
そこから清々しいイメージや夏のイメージ。
冷静で落ちついたイメージもありますね。
また、「女性向けの商品だからピンク!」と選んだ場合でも、
ショッキングピンクとサーモンピンクでは同じピンクでも受け取る人の印象がかなり違います。色1つで伝えたいイメージが変わってしまう場合もあるのです。
そんな色の持つイメージを利用して、商品、サービスを印象づけましょう。色の組み合わせや使い方によってはチカチカしたり、見にくくなってしまう場合があるので、視認性にはご注意ください。
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5.まず、ラフを描いてみる**
チラシのターゲットを決め、
目的を決め、内容を整理して、
写真も選んで、キャッチコピーも決めました。もうパソコンの前に座って作り出したい気分ですが、もう少し我慢です。
まず、手書きでラフを描いてみましょう。出来れば原寸で。
これは会社の新人デザイナーにも必ずやってもらう作業なのです。
ここでやる事は、
・各要素の大きさのバランスを見ること。
・想定した順番通りに読めるかを確認すること。
ここで手描きでレイアウトを決めてしまう事で、パソコン上での作業のスピードが格段に早くなります。
勿論この作業、ベテランのデザイナーもやりますよ!
3で優先順位をつけた順番・大きさに各要素の紙面上の面積を割り振っていきます。
順番について。例えば、A4縦位置の用紙に横書き文字でチラシを作る場合、左上からZを書くように目線は動くので、その順番で情報を配置すると自然に読みやすくなります。
大きさについては、この時一番大きな面積を割り振るのは、4で選んだ写真、キャッチコピーです。
中・小のそれぞれの情報が大の情報より大きく見えないように気をつけましょう。また、3で決めた情報の大・中・小は文字の大きさと比例させて下さい。文字の大きさも、特大(キャッチコピー)・大・中・小・最小(注釈)ぐらいのパターンでメリハリをつけると読みやすいものになりますよ。
6.パソコンに向かってみましょう
ここまでできたらやっとパソコンに向かえます。
レイアウトは5でラフを描いた通りにどんどん進めて下さい。
ここでお伝えしたいのは、フォント(書体)を選ぶことです。
書体を選ぶ作業はデザイナーにとってとても大切な作業です。
私はいつも「書体は声色」と若手デザイナーに伝えています。
書体一つで真面目に見えたり、楽しく見えたり、優しく見えたりするからです。
明朝体を選ぶのか、ゴシック体を選ぶのかだけででチラシのイメージは全く違うものになります。お持ちのパソコンに入っているフォントの中からチラシのイメージに合う書体を探してみて下さい。
また、細かな情報は読みやすい書体を選ぶ事をオススメします。
以上が伝わるチラシを作るときにまず考えることと、その方法でした。
見栄えを良くするテクニックは他にもありますが、この6点がクリアできていればまず大丈夫!
しっかり伝わるチラシになりますよ。
これがあなたのチラシ作りのお役に立てれば幸いです。
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