100人いたら100通りの子育て取材 №.16児玉恵子さん №.17長岡祐美さん
新しい年になり、新春一回目の取材を受けて下さったのは児玉恵子さんと、長岡祐美さんです。以前、100通りの子育て取材で取材した葛木久美子さんのお話しの中で、子どもの服はお下がりを仲の良いお友達同士で回し合っているとお聞きした際に、「お洋服お下がり隊」という素敵な仲間たちの存在を知る事が出来ました。
今回は「お洋服お下がり隊」の児玉恵子さん、長岡祐美さん、葛木久美子さんにお集まり頂き、メンバーが集まるきっかけや、今まで続いているママ友同士の結びつきの秘訣など、アラフォーでママになったという共通項から、楽しいママ達のご縁を垣間見ることが出来ました。
この企画は北海道帯広市を中心に展開しているおかあさんの学校の活動の一環として、「魅力プロジェクト」と題して100人のお母さんに子育てについて取材させて頂いています。
おかあさんのがっこうの活動の詳細は以下をご覧ください。
取材させて頂いた日は真冬日で朝の最低気温がマイナス20度、最高気温はマイナス4度と寒い日でした。木々の枝が真っ白に樹氷で覆われ、美しい銀世界が広がる帯広市街。
恵子さんと取材日の調整をし、この日なら皆さんにお集まり頂けるということで集まってもらいましたが、恵子さんは午前中は下の子どものスケート学習のスケート靴の紐を縛りに、午後は上の子のスケート靴の紐を縛りにいく予定とのことで、幼稚園や小学生の子を持つお母さんの冬はかなり忙しいという、十勝ならではの子育てあるあるを知るような日でした。
さっそく、『お洋服お下がり隊』が集うきっかけを伺いました。
帯広市内にある『あじさい保育園』に併設されている地域子育て支援センターあじさいは就園前の親子が気楽に遊んだり、情報交換をする広場として開設されています。その支援センターに遊びに行ったことがきっかけとなり、同じ世代で集う『アラフォーの会』のお茶会でママ達の年齢が近く、子どもの年も同じであることから仲よくなったのが出逢いであったそうです。
先に『アラフォーの会』の役員をしていた祐美さんに誘われて会に入ったという恵子さん。恵子さんが祐美さんと仲良くなったきっかけに、おかあさんのがっこうの校長である道見里美さんのメルマガをとっていた頃、祐美さんから受け取った名刺に書かれていた『魔法の質問キッズインストラクター』の文字を見て、当時、魔法の質問講師であった道見里美さんの事が話題にあがり、結びつきが深まったことを話してくださいました。
「まだ子どもが1歳前でした。アラフォー同士で肩寄せ合って、傷を舐め合うような(笑)お互い大変な事を共感し合うような関係性が自然と出来たのです」と話すお二人。
「同じ年代の友人達はすでに子どもさんが大きくなっていて、悩みを話しても過去の出来事位でしか話せませんが、こちらとしてはリアルタイムで同じ悩みを共有できる、子育ての話が出来る人が身近に欲しかったわけです。」と長岡祐美さん。
「この人達は将来も離さないでおこうと思いました(笑)」と話す児玉恵子さん。
こんな素敵な会がある子育て支援センターは他に例がないのではありませんか?と伺うと、以前、『アラフォーの会』の活動内容が珍しく、興味深いということで地元紙に取材を受けて掲載されたという記事を見せてくださいました。
記事をきっかけに家から離れていても、子育て支援センターあじさいに通ってくる親子がいたと言います。
アラフォーのママを見かけると支援センターの先生が声をかけてくれたり、同じ世代のママと繋げてくれたり、何かと気にかけてくれたと言います。
「何件か支援センターをはしごして、一番心地よかったのが、あじさいなんですよね」と祐美さん。
「家に一人でこもっていても気にならない方で、ママ友もいらないかなと思っていたのですが、一日小さな子供と家に居て、夫と一言二言会話するだけで人と話していないなと思って、寂しくなって、ヨガの知り合いがボランティアをしていた支援センターに行こうと思ったんです」と恵子さん。
そんな支援センターで仲よくなった「お洋服お下がり隊」のママさんは総勢6人。
第一子の子どもの年齢が一緒だったことや、親子で集えるような広いお家のメンバーさんの家でたびたび集ったりと、絆を深めれるポイントがいくつもあったようです。
0歳だったお子さん達は今では小学2年生になり、今でも定期的に集い、お下がり服を回し合ったり、情報交換しているそうです。
服のお下がりを回すきっかけを伺いました。
祐美さんの小学2年生になる娘さんが、体格が大きく、一人っ子なので、下の子のために服を取っておく必要がなかったそうで、同じ年齢の子でもお下がり服を着ることのできる恵子さんの娘さんにお下がりが回り、さらに、少し月齢の小さい同じ年の子がいる葛木久美子さんの娘さんへお下がりが回るという、循環が生まれたようです。
そのお下がり交換は今でも続いており、今ではコープ会#1に参加し、定期的に集う中で、お下がり服を広げて、集まったメンバーで交換し合い、余ったものは知り合いに譲ったり、資源回収へ回す等しているということで、下着以外は買わず、服も靴も誰かのお下がりで間に合っていると言います。
それぞれ、住んでいる地区も学校も別々で、普段頻回に会うことはないそうですが、それでも今でも続いている関係性に何か秘訣があるのでしょうか?
子どもが通っている幼稚園や学校がお互い違うことで、それぞれ持つ違った情報を交換することがある意味新鮮だったり、それぞれ全く違う個性を持つママ友同士、その個性を認め合っていることも秘訣のように感じました。
集う時も、時間や場所を伝えて、来れる来れないは特に決めず、来れる人だけ来て楽しむ、そんな決まりのない緩さで集まっているそうで、お互いのペースを尊重し合い、気楽に付き合える関係も長く続いている秘訣のように感じました。
「強要もしないし、されないし、ウマが合う。この先子ども達が20歳になったら、私たちは還暦を迎えます。子どもの成人式の日にママ達は赤いちゃんちゃんこの代わりに赤い着物を着たいねっと祐美さんが言いだしたので、私も一緒に着たいって話しているんですよ。」と恵子さん。
「私も子どもも安心していられる場なんですよ。誰か一人欠けても物足りなさを感じますね。」
子ども達がもう少し大きくなったら、お酒を飲みに行きたいね。小学校卒業記念でまずは実現したいねと話すママさん達。
この先も子育ての時期を一緒に歩んで、節目のお祝いを一緒にして、喜びも何倍にもなりそうですね。
世代が同じ、しかもアラフォー同士で繋がり合ったママ達。世代が同じだからこその親近感や同じような悩みを共感できる関係性、そしてお互いの個性を受け入れて認め合っていることがとても素敵なお仲間だと感じました。
これからも楽しんで子育てをしていくのでしょうね。
貴重なお話を聴かせてくださった児玉恵子さん、長岡祐美さん、葛木久美子さん、本当にありがとうございました。
※写真は樽見真樹子さん撮影
#1コープ会:ママ友やご近所さんなど、組合員5人以上集まれば始められるコープさっぽろの「くらぶ活動」です。コープ商品の試食・料理や、工場見学ができ、毎月一回の活動に活動費を補助されます。
児玉恵子さんプロフィール
十勝管内出身。8歳女の子、5歳男の子のお母さん。
長岡祐美さん
釧路市生まれ十勝育ち。8歳女の子のお母さん。