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「英語は教えるな、鍛えろ」──英語のパーソナルジムの根っこにある考え方

今日は、僕が手がけているENGLISH COMPANYという「英語パーソナルジム」について、その裏側の考え方や背景をお話ししたいと思います。

よく僕は「英語は教えるんじゃなく、鍛えるものだ」というフレーズを使っていますが、なぜそんな発想をしているのか、ぜひ知ってもらえたら嬉しいです。

大前提:英語は「知識」じゃなく「知識+技能」

まず、僕たちが大事にしている前提があります。それは、英語は知識ではなく知識の上に技能をのせたものだという考え方。

単語や文法といった知識を覚えることももちろん必要ですが、それだけでは英語を「使える」ようにはなれません。スポーツだってルールブックや理論書を読んでも、実際に体を動かして技能として定着させないと上達しませんよね。

英語もそれと同じで、脳内の情報処理回路を最適化するためのトレーニングが不可欠です。たとえば、英語を目で見た瞬間に「意味のかたまり」で理解したり、耳で聞いた瞬間にサッと内容を把握したりといった処理を、意識しなくてもスムーズにできる状態を作り上げる必要があるんです。

クラッシェンの「i+1」とは何か

僕たちが参考にしている学問分野として、SLA(第二言語習得研究)があります。その中でも有名な研究者の一人が、スティーブン・クラッシェン(Stephen Krashen)です。彼が提唱した「i+1」という理論は、英語学習を効率よく進めるうえでとても示唆に富んでいます。

「i+1」とは、自分の現在のレベル(i)よりも、ほんの少しだけ難しいレベル(+1)の英語をインプットし続けると、最も効率的に言語能力が伸びる、という考え方です。これは学習者にとって易しすぎず、かといって無理すぎない“ちょうどいい負荷”をかけると伸びやすい、という意味でもあります。

ただし問題は、その「+1」を自分で客観的に判断するのが案外難しいという点。独学でやっていると「うーん、これって自分に合ってる負荷なのかな?」と迷いがちです。易しすぎる教材ばかりだと伸び悩むし、難しすぎるものに手を出して挫折してしまう人も少なくありません。

だからこそ「リアルタイムで負荷を調整する」英語ジム

そこで僕たちは、“英語のパーソナルジム”というコンセプトを思いつきました。筋トレに例えると、スクワットの重量設定や回数をトレーナーが調整してくれるように、英語も「今この人にとってちょうどいい+1の負荷はどのくらいか」を、目の前で見ながら判断するわけです。

ENGLISH COMPANYのトレーナーは、受講生の「読む・聞く・話す・書く」の各技能をチェックし、「今はリスニングの音声知覚が弱いから、この強度のディクテーションを入れよう」「リーディングの速読力が足りないから、チャンクリーディングをもう1レベル上げよう」といった具合に、リアルタイムでメニューを作り変えていきます。

これは、いわゆる“英語コーチング”とも少し違います。コーチングが「これを○時間やりましょう」という宿題をメインに組むのに対して、僕たちは実際のレッスン(トレーニング)中に脳をヘトヘトにするほど負荷をかけるところを重視している。そこが特徴です。まさにフィットネスジムのセッションのように、「フォームが崩れてきたから少し重量下げよう」「もうちょっといけそうだから上げよう」と微調整しながら鍛えるイメージですね。

英語を鍛えるなら「短時間」×「高強度」

従来の日本の英語学習は、膨大な問題集や単語帳にひたすら時間を投下して「量」で勝負するやり方が多かったように思います。でも社会人だと、なかなか毎日何時間も勉強時間を確保できないものですよね。

仕事のために英語を勉強しているのに、英語の勉強のせいで仕事が疎かに成ったら本末転倒ですし、そもそも何時間も確保してやり続けるのはシンプルに「しんどい」ことです。

だからこそ僕たちは、高負荷トレーニングを短時間で行うスタイルを取り入れています。筋トレだって、週2回でもしっかり追い込めば筋肉は成長します。 それと同じ発想で、僕たちのレッスンは週2回・1回90分でも脳がぐるんぐるん回るぐらい集中してもらうんです。

結果、トレーニング外の自習時間は一日1時間程度でも十分効果を出せるように設計しています(もちろん人による差はありますが)。

「英会話は練習試合」── weekly英会話ブーストの役割

「英会話レッスンこそが英語力を伸ばす最短ルートなんじゃないか?」と思う方も多いかもしれません。でも僕は、英会話そのものは「練習試合」みたいなものだと考えています。

サッカーで言えば、試合に出て実戦経験を積むのは大事。だけど、その前に基礎練習や筋トレを積んでおかないと、実際の試合で何もできずに終わってしまう。英語も同じで、英会話レッスンだけを繰り返しても、そもそもインプットが足りなかったり、瞬時にアウトプットする訓練が不足していたりすると、成果が出るまでに時間がかかる。

そこで僕たちが用意しているのが「weekly英会話ブースト」という仕組みです。週1回、外国人講師と英会話をしてもらい、その会話で見つかった課題や弱点をトレーナーがピックアップ。次のトレーニングにフィードバックすることで、最適な「+1の負荷」を再設定していくんです。

まさに試合→課題発見→基礎練習というPDCAサイクルで、実践的な英語力をぐんぐん引き上げるわけです。

短時間で成果を出せるのは「i+1を常に外さない」から

「そんな短時間で本当に英語って伸びるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。でも筋トレで言えば、フォームが崩れても誰も教えてくれずに何十時間もやるより、正しいフォームで短時間集中してやったほうが早く成果が出るのと同じなんです。

英語も、自分が今いるステージに対して「ちょうど+1」の負荷をかけ続けていれば、最短距離で伸ばせる。むしろ独学で「+2とか+3ぐらいの負荷」に手を出して挫折したり、「もう-1ぐらいの楽な範囲ばかりやって伸び悩む」人が多いからこそ、学習コストが膨れ上がってしまうんですね。

僕たちは、レッスン中に細かく受講生の反応を見ているので、「あ、これはちょっと簡単すぎるから負荷上げよう」「逆に難しすぎるな、一旦基礎を補おう」と都度修正できます。その積み重ねが、少ない学習時間でも大きな成果につながる最大の理由です。

「忙しい大人にこそ、最適な負荷の英語トレーニングを」

ENGLISH COMPANYを立ち上げて以来、僕がいちばん嬉しいのは、「英語学習が苦痛じゃなくなった」「今まで自分が遠回りしてきたのに気づいた」という声を聞くときです。

忙しいビジネスパーソンこそ、時間も気力も限られているし、「この半年で絶対にビジネス英語をモノにしないと困る」といった切実な課題を抱えている場合が多いですよね。そのときに「一日3時間やりましょう」とか言われても、正直しんどい。だったら少ない時間でも、ちゃんと鍛えて成果を出すやり方が必要です。

だからこそ僕たちは「英語は教えるんじゃなく鍛える」と発信し続けてきました。クラッシェンの「i+1」をはじめとするSLAの知見に基づいて、常に最適な負荷をかけるトレーニング。

フィットネスジムと同じように、一人ひとりの目標や現状に合わせてプログラムを組む──これが、僕たちの軸です。

英語学習は「根性」じゃなく「設計」

最後まで読んでくださってありがとうございます。
僕自身、昔から「英語に限らず、勉強って気合いに頼り過ぎているんじゃないか」と思っていました。でも具体的な解決策は思いつかなかった。

そんなときに、SLA(第二言語習得研究)に出会い、科学的に言語を習得する仕組みを知ったことで、「英語はちゃんと設計すれば短期間でも驚くほど伸ばせる」という確信を得ました。

ENGLISH COMPANYは、その確信を形にした「英語のパーソナルジム」です。もし皆さんの中に、これから英語を伸ばしたいけど「どうすればいいか分からない」「やっても成果が出ない」という悩みをお持ちなら、ぜひ一度、無料体験に来てみてください。根性論でもなく、単なる“英会話”でもない、“鍛える”学習法を味わってもらえたら嬉しいです。

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