他人の家族に興味がある他人
私は、自分の家族についてあれこれと詮索されるのが苦手だ。特に母親世代の女性から聞かれることが多いのだけどまず手始めは「私の年齢」について聞かれる。そこからしばらくすると「結婚はまだしてないの?」「え〜なんで!?こんなに素敵なのにぃ〜!?」(などとオーバー気味に言われても素直に喜べない。)という流れになるのがいつものお決まりだ。
そこから、「母親は何しているのか」(両親は離婚しているので返答にいつも詰まる)とか「兄弟はいるのか」(兄とは現在、疎遠にしている)などと、話題は否応なしに広がっていく。このように悪く言うと、づけづけと他人の家族について聞き出すような人はどこにでもいると思う。そしてこういった人達は自分の家族に何もわだかまりが無いのか(どうかは分からないが)自分の家族がどんな仕事をしていて、どんな生活を送っているかのエピソードを聞いてもないのに話してくる。
私は、他人の話(例えそれが自慢話のようなものでも)を聞くのがわりと好きなほうで楽しく聞くことができる人間だと思う。ただ「こちらの家族について話しているのだからあなたの家族についても質問していい」みたいな習性を持っている人がすごく苦手だ。ひょっとしたら、私の無意識のなかに家族に対してのコンプレックスがあるからかもしれない(基本、気にはしてない)。こんな風に思う原因は相手にじゃなく自分にあるということも理解できる。けど、やっぱり私は少しだけ距離を置きたいと思ってしまう。
20代前半の時、尊敬する70代の女性がいた。その女性はいかにも「いろんな人間を見てきました」というオーラが出ていて、私はその女性を少し怖がりながらも、会話をする度に学びを得ていた。ある時その方に言われた「あなたのその痛みは、相手の痛みを理解するのにいつか役立つよ。」という言葉がずっと忘れられない。当時私が抱えていたどうしようもなく辛い気持ちが、いつの日かプラスの方向へ昇華すると言われて気分が軽くなった瞬間だった。
そして私は「相手の家族についてこちらからはあれこれ聞かないようにしている」という習性を身につけた。家族について聞かれて返答に困ったり、何かを思い出して傷付く人は一定数いるのだから。そこの配慮、というか想像力を私はずっと忘れたくない。という小さな決意表明でした。(そもそも家族構成など聞く前にもっと楽しい話題あるよなと思っている。)
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