技術士/沖津修

独立自営の技術士(化学)/労働安全衛生コンサルタント(化学/労働衛生工学)です。主に化…

技術士/沖津修

独立自営の技術士(化学)/労働安全衛生コンサルタント(化学/労働衛生工学)です。主に化学と関係のある技術課題や技術経営課題の解決を仕事としています。環境計量士(濃度)、バイオマス活用アドバイザーでもあり、環境技術やバイオマス分野での課題解決にも携わっています。博士(薬学)

最近の記事

これからは技術を使いこなす力が求められる

年が変わり2024年となった。 新年に際し、法螺を吹こうと思う。 日本は科学技術立国と言われてきた。新しい技術を開発し、その成果を製品化することで収益に結びつける。 同時に生産技術や生産管理の手法を新しくし、品質管理技術を強化することを優位性確保の源泉としてきた。 そして、その成果を国民の生活水準の向上に繋げてきた。 これが日本のビジネスモデルであった。 今後はどうであろうか。 続きは後ほど

    • サイエンスに出会った初めての瞬間

      昔話。 私が学んだ東北大学理学部は仙台市の青葉山の北側に当時も今もある。 そこからは、かなりの距離がある松島の方角に太平洋が輝いて見える。 年末から春先にかけては卒論、修論、博論を纏める時期に入り、多くの大学がそうであるように、そして、おそらく今もそうであると思われるが、理系の研究室は不夜城と化す。 卒論の時期だった。 当時は有機化合物の光触媒を使った反応機構の解明が研究テーマだった。 ある有機物質に光触媒を使って光を照射すると別の物質に変わる化学反応があって、そのメ

      • 化学品のハザードとリスク

        化学品のハザードとリスクの話。 人の性格で頑固というものがある。 難しい課題をやり抜く力としてプラス面と評価される。 一方で、他人の意見を頑として聞かないとして煙たがられたりする。 「状況に応じて自分の性格をコントロールしてくれれば、良い人なんだけどなあ」と周りの人は感じてしまう。 こういったことが、化学品でもある。 現在の社会では多くの化学品(化学工業製品)が使われている。 洗濯洗剤、台所洗剤、プラスチック製品、自動車や住宅の内装材、電池、衣類などなど。 これらは望ま

        • 化学って何だろう? その3

          受験生の学部選びにも関係するが、化学系の学部選びの話。 理系の場合は、国家資格の受験要件に関係する医歯薬や建築系を除くと、基礎科学系(理学系)とテクノロジー系(工学系、農学系、と薬科学系)に分かれる。 そのため、理学系と工学系でどこが違うのかという問いが出てくる。 ざくっと言えば、基礎科学系は社会に役立つかというよりも、科学を深掘りすることに重きを置く。 基礎科学系は、物理学、化学、生物学、天文宇宙、地球科学(地学)、数学といった内容で、高校の理科や数学を深掘りするような

        これからは技術を使いこなす力が求められる

          化学って何だろう? その2

          ちょっと難しい話。 化学の相手とするのは身の回りにある物質である。 これらは人間が直接触れたり、見たり、においを嗅いだりできる。 光ったり、色が変わったり、熱を発したりもする。 人間が直感的に認識し理解できる物質ともいえる。 化学では周期律表の元素にまず注目し、周期律表に出てくる元素の性質と反応性を理解する。 さらには、それらの元素の化学結合によって生成される化合物の性質と反応性を理解する。 元素と化合物の総称として物質といったりする。 ここで物質に関して化学と物理学で

          化学って何だろう? その2

          化学って何だろう? その1

          大学受験を控えて理系の学部を選ぼうとしている受験生も多いのではなかろうか。 その理系の中で化学が関係するところは多い。 高校や大学の先生とはちょっと違った視点で化学の話をしたい。 受験生の進路選択や社会人のリスキリングの一助になれば嬉しい。 基礎的なところで理学部の化学系、生物化学系、分子生物学系、高分子学系などがある。 理学部の化学は高校化学の延長に近いとイメージして良いだろう。 しかし、「基礎=簡単」という意味ではない。 科学技術や文明社会の基盤となるサイエンスとしての

          化学って何だろう? その1

          重要な分析化学

          化学の一つの分野に分析化学がある。 元素や化合物としての物質を同定し定量するものである。 理学部化学科では、物理化学、無機化学、有機化学、生物化学、高分子化学、分析化学、など基礎科学としての化学の全分野を学ぶ。 その中で分析化学の教授が「分析化学を征するものは化学を征する。」と言われた。新物質を合成したり発見したとしても、その物質を同定し定量出来なければ何も進まないという意味であった。この言葉が今でも頭に残っている。 実際に多くの化学分析、生化学分析、環境分析、作業環境測定

          重要な分析化学

          マーケットインとプロダクトアウト

          商品やサービスの市場への投入の方法に2つが知られている。 マーケットインとプロダクトアウト。 前者ではニーズが分かっているところに商品やサービスを投入する。ある程度の売上げを早々に得やすいが競合との差別化に苦労する、と言われている。 後者では開発した商品やサービスに適ったニーズを見い出したり創り出す。オリジナルな技術やコンセプトが主導する為に競合が少ないものの最初のユーザを探すのに苦労する、と言われている。最初のユーザを見つける為に長期間かかってしまうと「死の谷」と言われ

          マーケットインとプロダクトアウト

          【自己紹介】

          はじめまして。技術士の沖津修です。宜しくお願いします。 主に化学の関係する技術課題や技術経営課題を解決するアドバイスやコンサルティングを行っています。 化学の関連する技術的な課題解決(調査、製品開発、マーケティング、技術開発など)はもちろんのこと、化学品の関係するサステナビリティ対応(法規制、環境、労働安全衛生、輸出入、化学物質管理などへの対応)にも注力しています。 日本有機資源協会のバイオマス活用アドバイザーでもあり、環境技術やバイオマス利活用にも関わっています。

          【自己紹介】