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ゴルフは OFF–JT ?

今回はちょっと楽しい人材育成について記します。
今回は完全にゆるゆるです 笑

もくじ
1 始めたきっかけ
2 レッスンは動作分析
3 今は亡き恩師の気持ち

1 始めたきっかけ

それは自分が新人の頃間も無くだったと思います。
当時の職場の科長に促されるまま、訳もわからず科長のクラブのお下がりを頂き、一生懸命に練習したのを今でもはっきりと覚えています。

社会人になった喜び。大人への憧れ。背伸びした気分。

1人暮らしをはじめ生活が一変した頃、本当に勇気付けられる趣味を持ったような気でいられました。

車だって先輩の理学療法士から本当に安く譲っていただき、ゴルフクラブはお下がりをタダで頂き、自分にとってはなんと素晴らしい職場だった事でしょう。

全てが感謝の毎日でした。

ゴルフを始めて間もなく手にはマメができ、痛くて痛くてどうしようもなく、そしてすぐにマメの皮がつぶれ、剥がれ、それは悲惨な日々を過ごしました。

それでも、これが大人の勲章だ!なんて思い、絆創膏やらテーピングやら、専門職ならではの対処法でどうにかこうにか治癒の方向に向かい、ゴルフの練習を続けました。

週1回の練習日が楽しくて楽しくて。これを励みに臨床していたのを覚えています。

少しづつメンバーが増えたり、練習の前にご飯を食べにみんなで出かけたり、新人でありながら大人な自分を十分に満喫していました。


2 レッスンは動作分析

始めの頃は、とにかく練習が苦痛でした。
前項に、あれほど楽しく全てが感謝です・・・なんて言っておきながら、練習はとにかく苦痛。

こんなに苦しい体の使い方をして、ゴルフって、大人って、一体なんだろう?って思った時もありました。

スタンスは腰は引かない
テイクバックは肘は伸ばす
もっと肘を伸ばして・・・
肩と頭は動かさない・・・
体幹の回旋は・・・
トップでは肩関節と肘関節は・・・
手背部は・・・
トップの位置エネルギーが・・・
加速度が・・・


あれ?
なんとなく全ての用語、どっかで聞いたことあるフレーズの連続。

自分は理学療法士だったんだ!と自覚した瞬間でした。

今ではスマホが充実している時代。
当時はポケベルか、カメラ機能のない携帯の出始めの時代。
自分のフォームチェックは他人の言葉を頼るしかない時代でした。

これは!!!

まさに自分がいつも患者様に対応していることそのものだ!と思いました。
フィードバックはとても大切なこと。
でも、言われていることが分からなければ次のステップに進めない。


運動のイメージを如何に自身に落とし込むかの重要さを学んだ気がします。


成田秀美 鈴木健一 
運動熟練者におけるパフォーマンス能力の違いについて:注意の向け先と運動イメージからの検討
体育学研究 2016 年 61 巻 2 号 p. 773-780

Beilock and Carr(2001)は,ゴルフの初心者と熟練者へのインタビューから,パットする際のその手順について初心者は詳細に思い出せるが,熟練者は初心者よりも正しいテクニックについて知っているのにも関わらず,初心者ほど詳細に答えられなかったとし,初心者は運動を意識的に制御する身体への注意(インターナルフォーカス)が優位であり,逆に熟練者は運動の実行に少ししか注意を向けていない(エクスターナルフォーカス)可能性を述べている.

と引用からの報告を示しています。
意外にも初心者は自分自身の運動の詳細は分かっており、その代わり他者との違いに気が付けないことを示唆しています。


確かに・・・納得。

当時知っていたら
分かっていれば・・・

ゴルフは、たら・れば・の世界というようです 笑


3 今は亡き恩師の気持ち

そんな僕に人生の重要なものを教えてくれた上司は今はもう天国に召されています。

当時新人だった僕は、いつの間にかに科長になりました(室長という名称ですが)。

当時の科長は僕らのことをどう考えてくださっていたのだろう?
手のかかる新人。
厄介な後輩。
でも憎めない存在。
ゴルフ仲間。
良き舎弟・・・
どう思ってくれていたのだろう・・・

これからホントに大人の付き合いができたのに
今はもういない・・・

臨床では自分に、○○って知ってるか?と突然の質問をしてくれて、いつも気が抜けない状態でした。良い意味での緊張感を与えてくれました。
神経系の知識と臨床では到底かないませんでした。

でも苦手分野に対しては強がることなく偉ぶることなく、素直に出来ない分からないことを認めて部下に頼っていました。

これは現代においてとても重要な上司モデルだと思います。

ピョートル・フェリスグジバチ 著 世界最高のチーム 朝日新聞出版 2018

あのGoogleも「優秀なマネジャーの8つの特徴」として以下の8つをあげています。

1 よいコーチである
2 チームに勢いをつけてマイクロマネジメント(チームのメンバーに対する過度な監督・干渉は)はしない。
3 チームのメンバーが健康に過ごすこと、成果を上げることに強い関心を持っている
4 生産的で成果主義である
5 チーム内の良き聞き手であり、メンバーと活発にコミュニケーションしている
6 チームのメンバーのキャリア形成を手助けしている
7 チームのためのはっきりしたビジョンや戦略を持っている
8 チームのメンバーにアドバイスできる専門的技術・知識を持っている

当時からしたら25年も前のことですが、上記8つを全てこなしていた、振り返れば時代の先端を走っていた優秀な上司であったと思います。部下だった僕が偉そうに申し上げることはできませんが、それがせめてもの恩返しのように思います。

ゴルフは仕事と直接関係ありません。
しかし、いろんな大人と結びつける潤滑剤のような機会と思います。

職場内教育がOJTなら、ゴルフは職場外教育であるOFF–JTかもしれません。

私はゴルフを通じ、運動学や生理学用語を用いて、運動学習の基礎を学びました。
そして相手にどうしたら運動パフォーマンスの改善のためにフィードバックが与えられるか? どうか解析なども使えず、口頭での指示のみでどうやって人をやる気にさせるか?などを学んだ気がします。


自分の理想の上司像は、いつまでも消えません。
1人でも多く僕の愛する理想の上司が増えたらいいと思っています。
だから僕は人材育成のテーマで研究を続けています。

他界されたあの人を思いOFF–JTを思い出す。
時にはそんな非科学的な活動もいいんじゃないかと思います。


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