丘山代人

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「カミゴロク」第1話

あらすじ 神の子が陰陽師と戦う歴史ファンタジー。 ■[人里離れた山奥・昼間] 森の中を並んで駆け抜ける、今作の主人公でもある赤髪の兄弟、9歳の兄『カグマ』と、8歳の弟『ツクヨ』。 追っているのは、今晩の夜ご飯となる予定の兎。 カグマ「そっちいったぞツクヨ!」 ツクヨ「任せてよ!」 逃げる兎を追い立て、岩壁に囲まれた、行き止まりになっている場所まで追い詰める二人。 カグマ「捕まえた!」 ツクヨ「やったね、兄さん!」 カグマ「じゃあ今日も俺の勝ちだな……?」

    • 「カミゴロク」第2話

      ■[山の付近にある村の外れ・夕方] カグマ「っっっああああああああああああああああ」 カグマが弟を殺された怒りに飲み込まれ、ここにいる全員を殺そうと、能力を使おうとして、髪が赤く戻りだしたその時、何者かに後ろから捕まえられ、口に猿轡の様に腕を押し込まれ、連れ去られる。 その人物とは、他でもないゼンだった。 ■[山中・夕方] 山中をカグマを抱えながらひたすらに走るゼン。 ゼンは2人がどうしても心配になり、様子を見に来ていた。 ゼン「クソッタレが・・・!なんでこんな

      • 「カミゴロク」第3話

        ■【数年後・村・馬剣邸にある離れ・朝】 離れの寝床から、日が上らない早朝に誰よりも早く起床する15 歳になったカグマ。 水浴びをすると黒髪から赤髪に変わる。 それをコトサナの実から作った染料で黒染めをする。 そして、皆が起きてくる時間となり、掃除、朝食の準備、馬の世話など、朝の付き人としての仕事を3、4人と連携して淡々とこなすカグマ。 その目に生気はなく、明るかった性格が嘘のように抜け殻のようになっている。 ■【村・馬剣邸・朝】 馬剣「・・・ふむ。お前も少しは役

        • 「悪学のマニエラ」第1話

          【あらすじ】逮捕不可能と言われた、第一次世界大戦後の、裏のアメリカを統べるマフィア『カルネ・アルヴァーン』の娘を名乗る『セリル・アルヴァーン』という少女が、ある日カルネの悪事の証拠を持って出頭してきた。 その事により失脚した、自分の父に成り代わり、その幼き少女は組織のボスの座へ、着くこととなる。 セリルを危険と感じた捜査局は、監視役兼抑止力として、『首輪』と呼ばれる特殊訓練を受けた少年をセリルの元へ送り込むことに。 カルネが捕まった影響で、秩序の無くなった、群雄割拠の裏

        「カミゴロク」第1話

          「悪学のマニエラ」第2話

          ■回想(レフィア機関・実験施設・雑居房) 雑居房のような部屋で、数人の少年少女が座り込んでいる。 実験体286号(男)「・・・なぁ、俺達飯抜きになってから、これで何日目だっけ?」 実験体291号(女)「・・・56日目」 実験体288号(男)「あと44日もあるのかよ・・・」 実験体292号(女)「私はこの前の、水の中でずっと息止めるやつの方が苦しくて嫌だったなぁ・・・」 実験体289号(男)「俺は、たいあつ?実験ってやつだな。体がぺちゃんこになるとかと思ったもん」

          「悪学のマニエラ」第2話

          「悪学のマニエラ」第3話

          ■場面(児童養護施設『宣艇園』前・朝) ライラ「今日は早いねレンくん・・・ってあれ?」 園長であるライラが出迎えに来ると、軒先にいたのは、レンだけではなく、レンと同じか、少し下くらいの幼い少女と、両親と思える成人した男女がいた。 レン「父さんと母さん」 マロウ「息子が随分世話になっていたみたいで・・・レンの父の、マロウです(なんで俺がこいつらの父親役なんてせにゃならんのだ・・・!俺達は気高きマフィアだぞ!?)」 リゾ「・・・母のリゾです」 ライラ「これはこれは・・

          「悪学のマニエラ」第3話

          「ファーストレディ・ファースト」第1話

          【あらすじ】 野球嫌いな女子高生『上井住九夏』の元に、ある日『有藤 柊』という人物が、以前祖父が監督をやっていたプロ野球チームの新監督になって欲しいと訪ねてくる。  九夏は、病を患っていた祖父が以前球団に頼まれ無理をした結果、グラウンドで命を落としていたのもあって、頑なに拒んでいた。  しかし、女子だと言うことを隠し、男だと偽って甲子園優勝投手になった『久場海林』との出会いから始まり、改めて野球の素晴らしさを実感した九夏は、監督を承諾する。  正体を隠しながら、球速では

          「ファーストレディ・ファースト」第1話

          「ファーストレディ・ファースト」第2話

          ■【回想(過去)・夢の中・(病室・昼間)】 病室のベッドの上であぐらをかく、主人公の祖父”上井住 十栄”。 十栄「のう九夏よ。最近野球もせずにずっと家にいるらしいが、そりゃ本当か・・・?」 その隣に座る幼き頃の九夏。 九夏「おじいちゃん・・・おんなのこって、プロやきゅーのかんとくになれないの?おじいちゃんみたいに、なれないの・・・?」 不安そうな顔で問いかける幼い九夏。 十栄「・・・なぜそんな事を聞く?」 九夏「まわりのともだちがいってくるの。オンナじゃムリだっ

          「ファーストレディ・ファースト」第2話

          「ファーストレディ・ファースト」第3話

          ■(人通りの多い交差点・ドラフト当日の朝) 号外の新聞が道行く人に手渡されている。 新聞社社員「号外で〜す!」 その中の1人の、昨日レッドバックスタジアムで子供を連れて、試合を観戦していたレッドバッカーズファンの父親にも手渡される。 そして足を止め、その新聞を開くと、見出しには大きくこう書かれている。 『”球界のファーストレディ” 初の女性プロ野球監督誕生!なんとあの、上井住十栄監督の孫娘』 ■(ドラフト会場のホテルにある控え室・昼) ドレッサーの前でプロのヘア

          「ファーストレディ・ファースト」第3話

          「声ガワリは突然にっ!」第1話

          【あらすじ】 声変わりが来ていない自分の声にコンプレックスを持つ高校生、大野代亜は、誰も声を聞いたことがない無口なクラスメイト、雛崎真紀が、実は人気女性声優で、声バレを防ぐために、学校では喋れない事にしていたという事を知る。そして大野は、雛崎から顔出しをしていない、唯一無二の声を持つ人気声優の柴宮亜月に声が酷似していることから、影武者として声優活動をして欲しいと頼みこまれ、秘密の声優活動が始まる。 そんな影武者活動が順調に続いていたある日突然、大野に声変わりが起こり、影武者

          「声ガワリは突然にっ!」第1話

          「声ガワリは突然にっ!」第2話

          ■場面(収録スタジオ・入り口前・夕方) 収録スタジオの入り口前に、車が横づけされ、そこから雛崎と大野が降りてくる。 雛崎「着弾・・・!」 真鍋「それを言うなら到着。くれぐれも・・・」 サイドガラスが開き、車の中から真鍋が顔を出す。 雛崎「人気女性声優に相応しい言動を___でしょ?」 真鍋「分かっているならいいのですが・・・私は車を停めて待ってますので、終わった頃にまた迎えに来ます」 そう言って、真鍋が駐車場へむけて車を走らせていく。 その車の後ろ姿に向かって、

          「声ガワリは突然にっ!」第2話

          「声ガワリは突然にっ!」第3話

          ■場面(収録スタジオ・アフレコブース) 騒然とするアフレコブース内。 その中で、絶望に暮れている大野。 大野<ダメだ・・・やっぱり僕なんかには____> その時、 雛崎「きゃあぁぁぁ・・・!!ご、ごめんなさい・・・!!!」 ブース内に悲鳴が響き渡り、みんなの視線が、その声へと向く。 そこでは、溢れたジュースがソファと、立ち上がった雛崎の制服に飛び散っていた。 声優A「希ちゃん大丈夫・・・!?」 雛崎「す、すいません。座ろうとした時に、腕に当たったみたいで・・

          「声ガワリは突然にっ!」第3話