職業に貴賎なし!でもこの職業が罪を犯すと...(業務上横領) 傍聴小景#75後編
この記事は前後編の後編です。前編をご覧になっていない方は、先にご覧ください。
さて、驚くべき弁護士さんの横領事件の後編です。
事件は資金繰り、生活費の見直しなどが原因となっていますが、やはり特筆すべきは「弁護士という仕事なのに」と思われてしまう部分ではないでしょうか。
一人の人間として、と考えたら弱い部分があるのは当然とも思いますが、いやはやこれからの弁護側の立証でどのように覆してもらえるのでしょうか。
証人尋問 ~真面目とはどういうことか考える~
証人として出廷したのは、司法修習が同期で、大学も同じということで交友がある弁護士でした。弁護士が証人として法廷に立つのは初めて見ました。
ちなみに、警察官はよく証人として呼ばれます。検察官も捜査に携わった人は稀に呼ばれますし、超絶レアケースでは今まさに法廷に立つ検察官である自分自身を証人請求するというケースもありました。それは却下されましたが。
その流れで考えると、裁判官が証人として呼ばれることってあるのかな?今目の前にいる人って意味でなく、例えば地裁で判決を書いた裁判官を控訴審で呼ぶとか。調べたけど、出てこなかったので。
例に漏れず話が逸れました。
弁護人からの質問で、被告人は修習生時代、真面目で、大人しく控えめといった話がされました。確かに被告人席に座っている様子からも、大人しく控えめという感じは伝わります。
その他として、高価な食事をしたり、ギャンブルをするような人ではないとも証言しました。つまりお金は横領したけど、その原因は浪費癖からではないという主張ですな。
そして、ここから本質的な部分に。
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