薬物使用で意識不明状態に。それでも飄々とする被告人に必要なのは規制か、教育か、それとも..(麻薬及び向精神薬) 傍聴小景#93
「違法薬物ダメぜったい」というキャッチは何度目にしたことでしょうか。しかし、それでもどうして使用者というのはあとを絶たないのでしょうか。
禁止されているから逆に気になってしまうってこともあるかもですが、薬物の危険性が正しく伝わっていないということもあるのかなとは思います。
そう考えると、僕も裁判で事案に触れているとは言え、目の前にいる薬物を使った人は、少なくとも僕の目の前には立てる人なので、ボロボロになって悲しい結末を迎えてしまった人というを見たことがないので、本当の危険性は伝わっていないのかもしれません。
はじめに ~こんな子でも使うのか~
被告人はなんとも外見からは、なんとも掴めない感じの人。悪そうという感じは全くしない。でも、大人しいタイプかというと別にそうでもなく、妙に飄々としているというか、これが現代的というのかなんなのか。
舐めた態度を取っているとかでもないんですけど、なんとなく緊張感はなさそうな感じを受け取りました。
事件の概要(起訴状の要約)
これ一般の方は知らない人多いんじゃないでしょうかね。
体内に摂取したのは覚醒剤だとしても、別の違法薬物だと思っていて摂取したという事情が認められれば、その摂取したと自分で思っていた方の罪が適用されるんです。
具体的な認定基準はわかりませんが、本人の供述、使用状況、入手経路などによるんですかね。違法薬物を使う方の中でも、覚醒剤までやってしまったらダメだという意識を持っている方は多いので、この主張はたまに見かけるんですよね。
証人尋問 ~突然の息子が意識不明との連絡~
証拠の取調べは、被告人が常習として大麻を使用していたことと、体内から麻薬成分が検出されたということのみで、具体的な経緯などは証人尋問や被告人質問で聞くことになりました。
証人は被告人の母親。
恐ぇ…。
やはり、そういうことあるんですね。違法薬物裁判には多数触れていますが、ここまで明確に命の危険に晒された人を初めて見たので、少し驚きました。
あまり良くない友人との今後の付き合いの対処としてはいいと思いますが、元々の原因も友人に全振りしちゃうのはどうかなとは思います。運動してても、違法薬物に手を染めちゃう大学もね、ほら、あったわけだしね…。
続いて検察官
唐突にマザコンを晒される被告人。証人も、あえてなぜその表現を使ったのは謎ですが。
ただ、普段からよく話すという割に、辛いことがどうだとか、薬物についての経緯はあまり聞けていないご様子。詳しく聞く気がないのか、聞こうとしても話してくれないのか、どちらかはわかりませんが、でもどちらにせよ危機感は持って欲しいとは思うんですよね。
息子を下手に縛り付けたくない、もう成人しているんだから、など指針はあって然るべきと思いますが、やはり締めるべきところは締めないと。
と、これからの被告人質問を聞くと、そう強く感じてしまうのです。
被告人質問 ~携帯を制限されるのは無理っすね~
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