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裸の画像で脅して、求めたのは普通の会話?ネットの居場所を求めて行きついた先は?(強要未遂) 傍聴小景#79

事件において「犯行動機」というのは、皆さん一定の関心があると思います。確かに事件や、人によりそれぞれで、非常に興味深いものではあります。
もう1歩踏み込んで見て欲しいポイントとしては、被告人がその行いをすることで「どうなると思ってたん?」という点です。

例えば、すごい悪いことをして大金を得た場合、二度と犯罪に関わらないということはあるかもしれません。でも、「お金ないから食料品いっぱい盗ったー」という人は、またお腹が空くときが来ます。違法薬物の人も似た感じかもしれません。

犯罪はそれっきりなのか、バレるまでやるつもりなのか、むしろ自分では止められないからバレたいと思っているのか、そんな後先のこと考えてないのか、なんてことを考えるとその人の計画性というか、物への向き合い方が見えたりする気がします。


はじめに ~大阪地裁の話だけど被告人の住まいは?~

罪名 :強要未遂
被告人:30代の男性
傍聴席:平均8人(全2回)

被告人はひょろひょろ~っとした長身の男性。大卒でIT企業勤めらしいのですが、偏見たっぷりでいうと、「あ~なんかわかる」って感じ。若干、ヲタチックというか。
別にIT企業勤めだからといって、みんなが理系ヲタってわけじゃないのは当然わかっているのですが。まぁ、あまり女性には縁がなさそうかなという勝手な印象。

そして、一つ珍しいことが。被告人は関東地方にお住まいとのこと。裁判事例はいつもの通り、大阪地裁での話です。


事件の概要(起訴状の要約) ~義務なき連絡の強要~

24歳の被害女性に対して、自分に連絡させる目的で、

TwitterのDMでその女性の裸体画像を送り、「さっきのモザイク無しをツイートしたらまずいでしょ?」、「アカ消しとか、リムるならいいよね」、「返信しないとわかるよね、連絡してね今日中」などと送った疑い。
被害者女性が警察に届け出たので、被告人に連絡を取るという行為は未遂に終わった。

強要罪ってのは、相手の名誉などに害を加えることを告知して脅迫して、人に義務のないことを行わせる犯罪。
つまり今回でいうと、被害女性から、被告人に連絡させる行為というのが、義務のないことということです。こう書くと、なんか男側に切なさを感じてくるのは、僕がモテないサイドの人間だから?。

あと、関東住みの被告人がどうして大阪地裁で裁かれているかというと、裁判ってのは捜査に動いている警察の管轄で基本やるんですね。で、被害者が大阪の人だったので、駆け込んだ大阪府警管轄の大阪地裁で裁判をしているわけです。
そんで被告人との関係性はtwitterだから、距離とか関係なく関東住まいの被告人が大阪で裁判をやることになったということですな。たまにこのケースがあるのですが、これだけ家と距離が離れていると、ご家族の面会や証人出廷なども大変なんですよね。

さて、冒頭の話ですけど、被告人はマジでこれによりどうなると思ってたん?と思ってしまいます。警察に届けられると思わなかったのかなぁ。

もちろん被害女性としては、警察に届けたのがバレたら逆上されて自分の恥ずかしい画像が拡散されちゃうかもという恐怖感があるのとは思うのですが、実行側としても当然通報される恐れありとわかるだろうと思ってしまいます。
そのリスクで成し遂げられることってのが、自分に連絡させることってのも…。

採用された証拠類 〜警察通報より恐い垢BAN〜

検察官証拠

被告人と被害者はSkypeで約10年前に知り合ってビデオ通話などしていた。ビデオ通話だが被告人は顔を明かすことはなかった。
被害者は当時の交際相手について被告人に相談をしていた。被告人はその御礼として、モニター越しに胸や陰部を見せるように執拗に迫り、それを画面キャプチャで12枚ほど保存していた。

後にSkypeで連絡は取れなくなったが、Twitter、Facebookなど名前で検索した。「画面越しに自慰行為をさせたい」、「脅せば、なんでも言うことを聞くと思った」などと思い、保存している画像を見せながら脅してきた。

脅すのに使われた写真は胸や陰部が黒塗りされていた。黒塗りしていた理由はtwitterの規約に反するから。

断続的に10年にもわたる犯行でした。今回の事件の発覚時、被害者は24歳、ということは10年前は…。

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