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【名古屋】性依存で自身を正当化?被害者への傷が被告人にはわかる理由とは  裁判傍聴記#149(不同意性交等)

名古屋地裁に行ってきました。

お目当ての裁判は、児童虐待支援員の男性が未成年に性的行為を行った疑いというもの。
元のニュースはweb上では検索には引っかかるのですが、リンクを追おうとすると記事は消えている状態。ただ、名前は特定可能なので情報の取り扱いには配慮を。

事件の内容を聞くと、児童虐待支援員という職業の中で出会った被害者に対して行われた犯行だと思う方もいるのではないでしょうか。僕はそうでした。
ただ結論から言うとそれとは違って、普通にSNSで出会ったという話でした。

まぁそれでも、相手は16歳未満であり、かつ仕事柄そういう目で未成年を見ているのかという保護者側の思いは拭えないとは思います。またニュースタイトルも嘘は言っていません。
ただ、報道側の問題なのか、捜査側の情報の提示の仕方なのか、はたまた私のニュースの読み込みの浅さなのか、見事にミスリードされたなと思ったのがまず第一の感想。
とはいえ、印象的な話も多々聞けたので書いていこうと思います。


はじめに ~記者はいるけど記事にならない理由って~

罪名 :不同意性交等
被告人:50代の男性
傍聴席:31人(傍聴した1回)

ニュースになっていたくらいの事件なので、開廷20分前くらいには傍聴人がそこそこの列に。職員もいて、整理して並ぶよう誘導をしていました。

傍聴席は36くらいだったかな。記者席はなかったけど、それっぽい人は2~3名。ただ初公判後にはどこも記事になってなかったから、記者さんではなかったか、それとも記事にするほどでもないと思ったのか、はたまたこの内容じゃ書きにくいよってことなのか(多分コレ)。

被告人は50代男性。スーツを着た少し細身の方。社会人としての清潔感は保っているくらいの印象としましょうか。
児童虐待支援員という仕事は地方公務員になるそうなのですが、確かに役所でトラブルなど発生したら、奥から出てきそうな雰囲気はある。


事件の概要(起訴状の要約)

被告人は相手が、当時15歳であり、かつ自身と年齢が5歳以上離れていることを認識しながら、被告人宅にて口腔性交を行った。

罪状認否にて被告人は「(間違い)ありません」と答えました。

ここから証拠調べ。出会ったのはSNSである点、そしてそれが男児である点、過去に類似の性的事件で罰金刑に2度なっている点などが明かされました。
そして、そこから具体的に行われた性的行為の経緯を検察官は割と詳細に述べようとしていたのですが、裁判官から「性的な部分は詳細でなくても」とストップ。
起訴事実も証拠取調も全部同意だからという点もあるでしょうが、かなり被害者の性的指向に関わる内容だったので、僕も聞いてて大丈夫か?とちょっと気になりました。内容は割愛。

さて、当記事の以下の部分では、裁判でオープンになった箇所で、事件にも関係しており、かつ私の方で性に関する余計な偏見を生まないであろうと判断したものを被告人質問中心に書いていきます。関心がある方はこのままお進みください。

なお当裁判の速報的な部分については、弁護士ドットコムニュースさんで記事にしていただいております。ポイントはここでも抑えられていますので、こちらをご覧いただく形でも大丈夫です。


では、続き。

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