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[TRPG]無形の落し子、妖怪「黒玉」のシナリオフック

本日もクトゥルフ神話TRPGシナリオフックを考える。久しぶりにホラーシナリオを書きたくなっている。
本日紹介する神話生物は、無形の落し子(ツァトゥグァの落し子)だ。
「ツァトゥグァ」はどう読んでいいかいまだに分からない。

この変幻自在な黒い生き物は、ヒキガエルに似た塊から、細い形に至るまで、体の形を即座にいろいろに変えることができる。ツァトゥグァの寺院や光の無い洞窟の中でよく見かけられる。

クトゥルフ神話TRPGルールブックP193(6版)

黒く自由に形を変える性質は、都市伝説や妖怪など和ホラーとの組み合わせがしやすそうだ。

シナリオフック

今は蒸し暑い真夏だ。探索者はオカルト掲示板で気になる投稿を見かけ、その調査に出向く。
山間部に位置する〇〇県某町で妖怪「黒玉」の目撃情報があるらしい。それも1件2件では無く、かなりの人間が「黒玉」に襲われたと言い始め、警察官が不審者として捜査を開始している。

「黒玉」
全身が真っ黒な姿をした怪異。鉄柱の傍に現れる。夏の夜、眠っている人間の足元にとまり、次第にあがっていって胸の上にのって苦しめ、最後には顔まであがって呼吸困難にさせるが、驚いて目を覚ますとすでに存在しない。

日本現代怪異事典 P143

探索者は好奇心でその地域に行く。都市から電車とバスを乗り継いで何時間もかかった。町について少し違和感を覚える。こんなに木々に囲まれているのに、蝉が全く鳴いていないのだ。街は全体的にシンと静まっている。

探索者は実際に襲われた人たちの話を聞きにいくだろう。古めかしい日本家屋で、老夫婦が麦茶を出してくれる。
お婆さん曰く、ある夜に金縛りにあい、足元に視線を向けると真っ黒な男が立っている。その男はまるで溶けるように自分に覆いかぶさり、徐々に水の中に沈まされるような感覚だった。顔まで来ると息が出来ず、もがいているうちに目が覚めた。夢かと思ったが、口の中に黒いネバついた液体が残っており、あわてて医者に診てもらった。

他の住民も同様の夢を見ている。どの人も布団の中で液体状の何かに襲われて、もがいているうちに目が覚めたらしい。
話をきいていくと、どうやら一番最初に「黒玉」に襲われた青年は、ショックで寝込んでおり未だに入院しているようで…。

展開

最初の被害者の青年が黒幕で、無形の落し子を人間の体内に忍び込ませて、町全体をツァトゥグァの信者に仕立て上げようとしているかもしれない。その場合、最終的に探索者は操られた住民たちに襲われながらこの町を脱出する事がゴールだろう。
もしくは、この地域の洞窟に現れた無形の落し子が生き物を徐々に支配し始めているのかもしれない。探索者もまた、この町で1晩過ごした際に、「黒玉」に襲われて体内に落し子が入ってしまう。その後、何かしらの状態異常が引き起こされ、なんとかするために落し子を退散させるだろう。


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