え?少数派が多数派になる??民意反映アルゴリズムとしての選挙制度
どうも鳥頭おじさんです。
白状すると、今回の記事、途中で訳がわからないくなりました。
タイトルにもある通り、今の日本の選挙制度って「投票した人が少数派でも、国会では投票された政党が多数派になる」という、訳のわからないことが起こっているとわかったからです。
何なの?この複雑なゲームは?苦笑
しかも、こんな仕組みについてテレビでもあまり解説しないし、学校でも習わない訳です。
それで、実際に投票に行っても、有権者である私たちからすれば「思ったような結果が出ない」という経験をずっとし続けている。
そりゃ、「選挙に行っても無駄」という人たちが出てきても仕方がないなと思ってしまいました。もちろん、本当は無駄じゃないけど、起こっている現実を見るとそう感じるのも無理はないということです。
そんなわけで、今回はまず、選挙制度についてのおさらいからしていきましょう。
とういうか、そうさせてください。私も話を整理したい、苦笑
たくさん得票しても当選しない!?日本の選挙制度(国会議員編)
のっけから、はあ〜〜〜!?って、感じかもしれないんですが、本当です。
詳しく解説していきますね。
まず、小選挙区制、次に比例代表制について説明します。
お前の票はすでに死んでいる!?莫大な死票を生み出す小選挙区制
例えば、『議会制民主主義の活かし方』岩波ジュニア新書によると実に得票数の48%もの票が死票になっています。実に2661万票です。以下の記事は、すべて同書の内容を踏まえて書いています。
えええ〜、せっかく選挙に行ったのに?と思う人も多いのではないでしょうか?
小選挙区制って、1つの選挙区で1名の候補者を当選させる仕組みですよね。それが東京の一等地であっても、地方の過疎地であっても1つの選挙区から1名の候補者が当選します。
ちなみに、「令和2年国勢調査人口(速報値)に基づく計算結果の概要」によると人口最多の選挙区は、東京22区で573,969人、人口最少の選挙区は鳥取2区274,160人です。
つまり、一票の重さはダブルスコアで鳥取2区の方が重い。
そして、どの選挙区でも1名しか当選者は出ないわけですから、人口の多い選挙区であればあるほどたくさんの死票を生み出すことになるのです。
選挙制度を民意を政治に反映する仕組みと考えるのであれば、あまり出来が良くないような気がするのは気のせいでしょうか???
えっ、でもさ。
それを補う仕組みとして、比例代表制があるんじゃないの?
そうですよね。そのはずなんです。なので、次に見るべきは比例代表制です。
ドントぽっちい比例代表制の不思議なメカニズム
「ドント方式」って聞いたことがありますか?
私は恥ずかしながら、初耳なんですけれども(汗)
比例代表制の選挙で、当選を決める方式のことなんですが、あまり聞かないですよね?
ちなみに、比例代表制には2つの方式があります。
1つは「拘束名簿式」でもう1つが「非拘束名簿式」です。
「拘束名簿式」というのは、候補者名簿の順番を決定したら変えられない方式です。比例代表で当選が決まったら、名簿の上から順に議員になっていくやり方。こちらは衆議院の比例代表です。
「非拘束名簿式」は順番は特に定めない方式です。こちらは、2000年10月から参議院の比例代表で採用されました。
で、ドント方式ですが、こんな方式です。
ん〜と、わかったような。わからんような・・・
例えば、4つ政党があったとします。
得票数は以下です。
A党・・・100万票
B党・・・60万票
C党・・・40万票
D党・・・30万票
この4党の議席数を定数を15としてドント方式で割り出してみましょう。
桁は全て「万票」、小数点以下は切り捨てで計算しました。
この割り出した数字をお大きい順にソートして並べたのがこちら。
この数字を、さっきの政党ごとの表に当てはめて当落を見ていくとこんな形になります。
選挙的にはA党が圧勝してますね。実際には、もっと政党の数が多いので、選挙全体の得票数の中ではA党の得票はあまり多くはなかったりします。
小選挙区制と比例代表制が実際の選挙ではどんな結果をもたらしているか?
これ、びっくりしたんですがこんな結果になってます。
えっ?って思いません。
全有権者の25%の得票で、議席の6割を獲得・・・
それって民意なん?って、私は思ってしまいました。しかも、48.2%の得票で75.4%の議席ってなんなん?と。
自民党以外に投票した51.8%の票って、どこいったん?
51.8%の得票が、議席の24.6%にしかならんって、詐欺やんけ!と思ってしまいます。これ結局、票が割れるとそうなるってことなんでしょうね。
しかし、詐欺は言い過ぎだとしても、民意反映アルゴリズムとしては、だいぶ破綻してないですかね?
1つの党にまとまった投票が入れば勝つし、票が割れると負けると。
ただし、全体に占める得票数の25%ということは、投票率が上がればその比率は下がるので議席の配分はだいぶ変わってくるのかもしれません。
今回調べてみて、かなり考えてしまいました・・・
これって、固い組織票がある政党は投票率が下がれば下がるほど、選挙に有利なのでは????
しかも、組織票の拘束力が強ければ強いほど有利。例えば、宗教とかだと、信仰と投票が紐づくので圧倒的に強いのではないだろうか・・・
これって、ある意味で、現行の選挙制度をチート技で攻略したと言えるのかも・・・なんか、思ってたんと違う選挙結果を見せられているからくりはこれかなあ。
投票率の推移を調べたところ、2022年の参議委員選挙は全体で52%ほどだそうです。※総務省調べ
あれ?低くない?半分の人は投票に行かんということ?
そもそも投票率は昔もこんな感じだったかというと、そうでもないらしい。
これって、制度としてダメじゃね?と思うのは私だけでしょうか?
選挙制度の仕組みからして、投票率が一定以上にならないと民意を反映しないような気がしますよね。少なくとも25%の民意しか得ていない政党が、圧倒的な多数を国会で占めるのはちょっとおかしい気がします。
そこで、次回は「どうしたら民主主義のシステムは正常に作動するのか?」について考えてみたいと思います。