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「修士論文を4日で終わらせた」東大院生の女性YouTuberは悪いですか

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YouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームの普及により、学問の世界にもYouTuberが進出するようになった。


大学生活の記録や研究過程の共有は視聴者の関心を引き、知的好奇心を刺激する側面もある。


一方で、「修論を4日で終わらせた」という動画のように、学問の本質や大学の信頼性に影響を与えかねない発信も少なくない。





YouTubeと学問


研究の過程を公開すること自体には一定の意義がある。大学の研究は閉鎖的になりがちであり、一般の人々が学問に興味を持つきっかけを提供するという点では、YouTuberによる発信が果たす役割は小さくない。


しかし、学問には慎重な検証や指導の過程が不可欠であり、それを軽視するような発信は大学の信頼性を揺るがすリスクをはらんでいる。


「修論を4日で終わらせた」という動画が問題視されるのは、単に速さを強調する内容だからではない。


それがもし実際に審査を通過すれば、「大学側は適切な指導や審査を行っているのか?」という疑念を招くことになる。



研究の過程を適切に経たものなのか、あるいは審査が形骸化しているのか、という論点を含んでいるからこそ、大学関係者からの反発が生じるのだろう。




「迷惑」とは何か


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